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韓国でプリクラ再ブーム? 「人生4カット」日本にも進出へ

現地発 韓国エンタメ事情
筆者が試しに撮ってみた「人生4カット」=成川彩撮影

90年代に日本で社会現象となった「プリクラ」。ご存知、その場で撮った写真がシールになって出てくる機械で、セガとアトラスが開発した「プリント倶楽部」の略称だったが、同様の写真シール機全般を指す言葉になった。当時中高生だった私は、毎日のようにプリクラを撮っては友達と交換し合った。韓国でも遅れること数年後、大ブームを迎えたという。韓国では「ステッカー写真」と呼ぶ。そして最近再び韓国でブームとなっているのは、プリクラのようで、裏がシールにはなっていない4コマ写真が出てくる機械だ。4コマ漫画のように縦1列に4カットが並ぶ。「人生4カット」というブランドがブームの火付け役となり、類似の機械も続々登場している。

「人生4カット」弘大店内に飾られた「人生4カット」=成川彩撮影

韓国では「人生(インセン)〇〇」というと、「私の最も好きな〇〇」という意味だ。例えば「人生ビール、エビス」「人生映画、『ラ・ラ・ランド』」といった風に使う。

暑い日も寒い日も、「人生4カット」を撮ろうと、機械の前に10代、20代の女の子がずらりと並んで順番待ちしているのを見ると、スマートフォンで手軽に撮って加工できる時代に、なぜ?と疑問がわいた。

「人生4カット」の発案者、李浩益(イ・ホイク)社長に直接会って聞いてみると、「デジタル時代に、わざわざアナログ。僕も不思議です」と笑いながら、「でも、実際に感想を聞いてみると、要はアトラクションなんですよ」と言う。「遊園地のジェットコースターに乗るように、写真が出てくるまでの撮る時間のスリルを楽しんでいる」

「人生4カット」発案者の李浩益社長

私も試してみると、確かに、ポーズを考えて準備するには微妙なタイミングで容赦なくシャッターが「カシャッ」と下りて、「次どうする、どうする?」と、キャーキャー言ってる間に4枚撮られてしまった。いい大人が、中高生のように騒いでしまう、不思議な時間。その絶妙なタイミングは、ワンカット10秒だそうだ。

4千ウォン(約400円)で4カット写真2枚が出てきた。友達と二人で撮ったので2千ウォンずつ出して1枚ずつ分け合った。

筆者が試しに撮ってみた「人生4カット」=成川彩撮影

4カットにしたのは、やはり4コマ漫画にヒントを得たようだ。上級者は、事前に4コマのストーリーを考えて撮ったりもする。男性が花束を持った場面から、女性に渡し、女性が喜び、プロポーズ成功、といった具合だ。

2017年から設置を始めた「人生4カット」の機械は、今や韓国全国に300台以上。着替える衣装まで準備された店もある。最近は店舗形式を増やしており、現在30店舗という。

私が行ったソウルの仁寺洞(インサドン)にある店は、レトロなワンピースや帽子、日傘など「開化期」の衣装があった。これは、昨年の大ヒットドラマ「ミスター・サンシャイン」の影響だ。西洋の文化が入ってきた20世紀初頭が時代背景のドラマだった。

「人生4カット」仁寺洞店

人気に拍車がかかったのは、SNSの力が大きい。アナログで撮った「人生4カット」の写真をスマホで撮ってインスタグラムなどにアップするのがはやり、さらに芸能人がアップしたのが話題になってどんどん広まった。アナログ×デジタル、という新しい遊び方だ。

李社長は、自動販売機の企画が専門。これまでどんな自販機を考案したのか聞いてみると、「直近はラーメン製造機」と言う。インスタントラーメンの袋をやぶって湯を注ぎ、さらに下から加熱して調理するという機械。「袋ですか?カップなら日本にありますが」と尋ねると、「カップは普通でしょ。袋をやぶるからおもしろい」。ただ、私が見たことないということは……。「惨敗でした。生き残りをかけて考案したのが『人生4カット』」。幸い大成功となったが、韓国はブームが短い傾向があるので、安心してはいられない。

今後は日本や中国、ベトナムなどへ進出しようと動き始めている。日本向けは、機械のカバーをK-POPアーティストの写真にする予定で、コリアタウンの新大久保から設置したいという。チーズタッカルビ、チーズホットドッグに続く、新大久保名物になるのか、どうか。