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アフリカの開発は自分たちの手で

市民社会と民間セクターの影響力が増す「静かな革命」

イブラヒム・マヤキ NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)計画調整庁長官に聞く


中野:各国のリーダーもそのような考えを持っていますか。


マヤキ氏:長期政権を敷いてきた政治リーダーたちは今後の十数年で、その地位から退かざるを得ない年齢になり、9割のトップが変わるのではないでしょうか。新しいリーダーたちは、(民間セクターと市民社会がリードする)社会のダイナミズムを(政治に)反映するでしょう。NEPADも、アフリカの開発に包括的な戦略を提供するのが使命です。AUを支え、農業やインフラなど様々な課題に、地域レベル、国家レベルで具体的なプロジェクトを実施できるような戦略を考えています。


中野:日本は変わり始めたアフリカと何ができるでしょうか。


マヤキ氏:ビジネスのパートナーになることができます。「アフリカ開発会議」(TICAD)は、アフリカの開発の状況に合わせて変わってきました。昨年の「TICAD VI」では、安倍首相が300人以上のビジネスリーダーたちを伴ってケニアのナイロビに来てくれましたね。これも、「変化」を反映したものだと考えています。


中野:しかし、アフリカとビジネスをしようという動きは、日本ではまだまだ少ないようです。


マヤキ氏:日本企業の多くは「アフリカでのビジネスは困難が多い」と言うかもしれませんが、共産主義の中国とビジネスを始めようとした時を思い出してください。恐らく、たくさんの困難があったでしょう。中国よりもアフリカの方が大変だ、ということはないと思いますよ。TICADは、ビジネスマンたちが継続的にコミュニケーションできるプラットフォームも作りあげました。信頼関係は、少しずつ増してきていると感じます。日本のビジネスマンがアフリカに目を向け、パートナーシップを結ぶきっかけになってほしいと考えています。


中野:日本企業をもっと呼び込むため、アフリカ側は何が求められていますか。


マヤキ氏:まず、明確で安定した法制度の整備です。朝令暮改の法制度は信頼を得られず、投資も遠のくでしょう。セネガルやコートジボワール、ボツワナなど、多くの国で法的な枠組みの整備に改善が見られています。そのためにも安定したガバナンスは非常に重要です。


進出してきた企業が人材を見つけられるよう、人的資源の充実も必要です。日本企業にマッチし、さらには地元の企業とも結びつくセクターのプロジェクト選定も大事になるでしょう。


中野:今日では、旧宗主国のみならず、中国をはじめたくさんの国・企業がアフリカに関わっています。その中で、アフリカ側が日本に見いだすメリットは何ですか。


マヤキ氏:まず、仕事の質の高さが揚げられます。例えば、日本の作ったインフラのクオリティの高さは驚くべきものです。また、技術の移転にも大きな期待を寄せています。日本の技術を学ぶことができれば、地元企業は強くなり、安定します。アジアで日本がやってきたことを、アフリカでも実践して頂きたいです。


今、アフリカ全体で中産階級は約30%ですが、この層は今後大きくなっていきます。そして、人口の75%以上が25歳以下という高い生産性を持つ人口を兼ね備えています。アフリカは、もう「誰かが発展させてくれる」のを待っていません。ODAも減っていますし、それに依存する国も多くありません。30年前とは、状況が大きく違うのです。日本にも、我々の戦略を理解して頂き、良きパートナーとして歩んで頂きたい。それができる時代が、やっと来たのです。



イブラヒム・マヤキ  Ibrahim Mayaki

1951年生まれ。パリ第11大学で客員教授を務めた後、97年から2000年までニジェール首相。その後、中央・西アフリカの農業開発を支援する組織を率いた。09年から現職。NEPAD本部は南アフリカのヨハネスブルグ。


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