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日本にいま必要なのは女性のロールモデル

「母、妻、そして企業リーダー」の存在がカギ

アランチャ・ゴンザレス国際貿易センター(ITC)事務局長に聞く


高橋:どのようにしたら日本で女性の社会進出が進むと思いますか。

ゴンザレス氏:日本では容易なことではないでしょうね。なぜなら、まず、女性が家事や育児、介護など家庭での無報酬労働をあまりに多くこなしているからです。


二つ目は企業の文化です。民間企業では、いつ何時会社に呼ばれても、社員は対応しなければいけないという「100%の稼働率」が求められるところが多い。


三つ目は保育所不足などの社会的支援の不十分さです。


四つ目は、ロールモデルが少ないことです。企業におけるロールモデルは男性に占められています。女性のロールモデルをもっと増やすことで、企業は「女性が、母親であり妻であり、企業のリーダーになることは可能だ」というメッセージを送ることができるのです。


女性のエンパワーメントは、これまで人権の問題として議論されてきましたが、経済的な問題として議論することが大切だと思います。女性の社会進出が進めば、女性だけでなく誰もが経済的に恩恵を受けます。


変化が目に見えるようになるには、政策や法律、条例を変えるだけではなく、文化が変わらないといけません。なかなか進んでいませんが、男性の育休取得もその一つでしょう。文化を変えることは最も難しいですが、実は男性でも子どもでも誰もが取り組むことができます。


高橋:女性の社会進出が進んで、経済的に豊かになった具体例はありますか。

ゴンザレス氏:ルワンダがよい例です。1990年代の虐殺で約100万人が犠牲になったルワンダでは、女性が社会を支えざるを得なくなりました。議会では議員の数は男性と同等で、女性の経済参加は8割を超えます。15年、16年と6%を超える経済成長を遂げており、16年のジェンダーギャップ指数では世界5位に入った。女性は収入の9割を子どもの教育や健康、食事など家族のために使う一方、男性は4割しか使わないというデータがあります。それは、女性に経済的権限が与えられると、貧困家庭を急速に減らすことができるということを意味するのです。




アランチャ・ゴンザレス Arancha Gonzalez

スペイン出身。2013年より現職。1996年から欧州委員会で貿易を担当し、2005年から世界貿易機関でラミー事務局長主席補佐官を務める。訪日歴は8回。


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