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難民生活は長期化、20年も/支援と開発の両方が必要に

中満泉(国連開発計画・危機対応局長)





難民を取り巻く状況が変わってきている。

国連は難民支援と開発計画を組み合わせた新たなアプローチを迫られているという。



─難民を生み出す国際情勢はどう変化しているのでしょうか。

多くの人が難民が中東やアフリカの「南」からヨーロッパなど「北」をめざしているというイメージを持っていると思いますが、それは間違いです。


避難を余儀なくされている6530万人のうち、実際に国境を越えた難民は2130万人で、4000万人以上は自国内で避難しているのです。しかも、国境を越えた難民の約90%は途上国が受け入れているのが現状です。


近年は、紛争が長期化する傾向があります。停戦合意や和平合意までに10年以上かかり、安定化にはさらに長い時間がかかっています。


背景には、難民を生み出す内戦に周辺国・グループが加担して紛争が拡大する例が増えていることがあります。たとえば、シリアでは宗教対立やロシアなど超大国の関与に加えて、サウジアラビアやカタール、イラン、トルコなどが絡み、構図が複雑化しています。


また、紛争と犯罪の境目がなくなってきています。国家そのものが脆弱になり、国境を越えた犯罪者集団が行ったり来たりし、西アフリカのマリのように、国内の対立と国境を越えて移動する過激派集団の活動が絡み合って、多くの人が避難せざるを得ない例が出てきています。


─難民にはどんな影響が出ていますか。

避難を余儀なくされている人々の避難期間は10年から20年以上、と長期化する傾向にあります。2世代にわたって難民状態が続くのが普通になり、こうした状況を、国連では「new normal」(新しい常態)と呼んでいます。



Nakamitsu Izumi

早稲田大学法学部卒。米国ジョージタウン大学外交大学院で修士号を取得。1989年、トルコの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)で勤務を始め、国連平和維持局(DPKO)アジア中東部長などを経て2014年から現職。国連の日本人女性職員としては最高位。




(次ページへ続く)

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