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[第12回]選択的シングルマザー増加

生殖医療で多様化する家族

ジェーン・マテス(選択的シングルマザーの会創設者)







シングルのまま妊娠、出産し、一人での子育てを自らの意思で選ぶ「選択的シングルマザー」が米国で増えている。女性の社会進出や生殖医療の発達で、家族の形はさらに多様化していくだろう。




私は心理療法クリニックの所長をしていた1979年、思いがけず妊娠した。36歳だった。長く交際していた相手の男性は「結婚や子育てに関心がない」と言った。自分の年齢を考えると、その後に子どもを持てる可能性は低いと思い、自分だけで産み、育てる決意をした。


母親になってみると、ひとり親には多くの助けがいることに気づいた。例えば、赤ちゃんが病気で外出できないとき、買い物をどうするか。81年、同じ悩みを持つシングルマザーが私の家に8人集まり、語り合った。これをもとに「選択的シングルマザーの会」をつくった。メディアで取り上げられて知名度が上がり、90年代に全米に支部ができた。いまでは国内外に約3万人の会員がいる。


女性が一人で子どもを養う経済力をつけ、パートナーなしでも精子バンクから精子を買えば妊娠できるようになった。そのことが選択的シングルマザーの増加を後押ししている。最近の会員の8割は、バンクを通して匿名の男性から精子提供を受け、子どもをもうけた母親たちだ。残り2割は養子を育てているか、私のように特定の男性との間に生まれた子を一人で育てているケースだ。


米国では、未成年の望まぬ妊娠が社会問題になって久しい。ただ、私たちが支援するのは、自らシングルマザーという生き方を選んだ女性たちだ。会員の平均年齢は35歳。ほぼ全員が大卒以上で、職業は教師、法律家、医師・看護師、実業家など幅広い。


一人で子どもを育てたい理由は様々だが、そもそも男性と暮らしたくないとか、結婚制度自体を否定する人は限られている。目立つのは、キャリアアップに夢中になり、不妊率が高まる40歳近くになっても理想の相手が見つからず、子どもだけは産めるうちに産んでおきたいという女性たちだ。



Jane Mattes

1943年、米ニューヨーク市生まれ。ボストン大大学院で社会福祉学を学び、ニューヨークで診療所を開業。著書に「シングルマザーを選ぶとき」(草思社)がある。



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