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先読み世界経済

[第113回]インド、業務委託で急成長

IT産業、研究開発も法務も

ソム・ミッタル(インドIT業界団体NASSCOM会長)






米欧の外注先として発展してきたインドのIT産業が新たな段階に入っている。ソフトウエアのテストやデータセンターのような従来型の仕事から、研究開発や財務・法務など、ビジネスの中心部分の受け皿に業容を拡大。多くの人材が育ち、これからは日本企業とのかかわりも、より広がっていくはずだ。




私が会長を務める業界団体NASSCOMは、インドのソフトウエア企業とサービス関連企業によって1988年に設立された。現在では、インドに進出している多国籍企業も含め、IT・サービス関連の1500社以上が加盟する。


インドのIT関連ビジネスというと、かつてはデータセンターや顧客の問い合わせ窓口などの業務受託が中心だったが、現在は、研究・開発から戦略的な市場調査、法務・財務の手続き、ネット取引の土台の提供など、より付加価値の高い分野でも欧米企業などの外注の受け皿になっている。




この業界全体の売上高は、2005年には280億ドル(約3兆円)だったのが、13年の予想は1080億ドル(約11兆円)。2020年には3000億ドル(約31兆円)に達するとみられている。


インドでは、社会的な格差を背景にした貧困や悪い衛生状態など、長年の社会問題は未解決なままだ。12億の人口を抱え、各地で話される言語は主なものだけで20を超える。識字率は徐々に改善してきたとはいえ、61%と、まだ低い。


それでも、IT産業の活用はこうした社会問題の解決にもつながる。政府が進める農村への光ファイバー敷設は、教育や医療の水準を高める。今後数年で全国民に配布される個人識別番号も、いままで銀行口座を持てなかった多くの国民が口座を持てる契機になるはずだ。


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