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先読み世界経済

[第112回]中国台頭で変わるユーラシア像

日本は戦略的な役割果たせ

ケント・カルダー(米ジョンズ・ホプキンス大ライシャワー東アジア研究所長)






日本列島の対岸、朝鮮半島から中東にいたる地続きのユーラシア大陸は、一つのまとまりをもった経済圏として生まれ変わろうとしている。その現実に、日本人はどう向き合うべきなのだろうか。




「ユーラシア」という言葉から何を思い浮かべるだろうか。東アジア、東南アジア、南「アジア、中央アジア、ロシア、中東……。これまでは、そんなバラバラの地域が寄せ集まった大陸だと考えられてきた。


だが、その実体はものすごい勢いで変わりつつある。一つ一つの地域がお互いに強く結びつき合う、新しい大陸としてのユーラシアが姿を現しつつあるのだ。


こうした変化をもたらしたのはエネルギー資源だ。かつて欧州や米国向けが多かった中東のエネルギー資源は、中国の経済成長を背景に、いまや3分の2が北東アジアへと向かう。10年以内には、その割合が4分の3を超えるだろう。


中国を軸にしたユーラシア大陸の登場が、日本や米国にとって望ましくないものだとは思わない。ただ、19世紀から20世紀前半にかけて活躍した英国の地理学者ハルフォード・マッキンダーは、ユーラシアの中枢を支配する大陸国家は、周縁部の海洋国家にとって脅威になりうると論じた。私もある程度は、この懸念を共有している。


中国は、今後も中東地域への依存度を強めていく。それに伴い、中東から日本へのエネルギー供給がうまく進まなくなるということも、起こらないとは言い切れない。


新しいユーラシア大陸が、中国だけによって主導されるものであってはならない。ただ、台頭する中国を抑えるため、日本はロシアと仲良くすればいい、というような単純な「勢力均衡」の考えは通用しなくなっている。ロシアと中国も深い関係で結ばれるようになっているからだ。


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