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先読み世界経済

[第111回]美術館に新たな役割

異なる層つなげ、課題克服を

グレン・ラウリィ(ニューヨーク近代美術館〈MoMA〉館長)






美術館が、市民活動の拠点になり始めている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)は、そこで生まれる知を地域の人々と共有するとともに、インターネットで世界中と交流し、世界的な課題の解決に役立てる挑戦をしている。




photo:Suzuki Akiko

美術館は年齢も学歴も、住んでいる場所も違う初対面の人たちが会話を始め、結びつくのにもってこいの場所だ。図書館では自由に話しにくい。劇場は目の前で起きることを座って見るしかできない。美術館なら、歩き回って意見交換できるし、アーティストとも交流できる。


MoMAの壁に、来館者の身長を記録してもらったことがある。壁にできたたくさんの印は、いつしか驚異的な渦になり、アートとして美術館に刻み込まれた。アートにはこんなふうに市民をつかむ力がある。


美術館は、立場の違う人たちの間にたって化学反応を起こし、知的な活動を生み出す触媒になることができる。


米国の美術館にとって、21世紀は、人々を呼び込むための「プログラム」が問われる時代だ。多くの国が困難に直面していた第2次世界大戦前後、豊かさを享受した米国は素晴らしい美術品のコレクションを手に入れた。かつてのような特権的な立場にはない今、これまで収集した美術品と施設を使って洗練されたプログラムをつくらなければならない。


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