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外需が極端に落ち込んだのに対し、政府は景気刺激策を打ち出した。農村の雇用拡大につながるインフラ建設や、物品税引き下げなどだ。7月に国会を通過する予定であり、投資家の前向きな反応が期待される。これらを織り込むと、09年度のGDP成長率は6.5%程度になると予想される。
これは、09年の世界のGDPの成長率がマイナス2%前後と国際機関などが予測する中で、称賛すべき数値である。中国も7%程度が予想される。米欧市場が低迷するなか、アジアの二つの大国であるインドと中国が世界のGDPで比重を増し、成長の主要な牽引力として台頭してきたのだ。
しかしながら、貧困をなくし、グローバル大国として歩んでいくためにも、インドには潜在成長率である9%程度の成長は必要になる。と同時に、格差の少ない社会を実現するのに、人的資源の開発と農村部の交通インフラの改善、農業生産性の向上、そして製造業の速やかで持続的な成長を促す政策が必要だ。
インドには、IT(情報技術)などサービス産業だけで急速な成長を達成できるという「神話」があるが、ただちに否定されるべきだ。そのうえで、製造業を強化する必要がある。経済の近代化のためだけでない。農業から労働力を移転させ、そこで生まれた労働者の生産性を引き上げるためでもある。
製造業が2けた台の成長率をとげるのを阻む制約を取り除き、世界市場でまだ小さいインドのシェアを拡大するべきだ。大きな障害の一つは、海外の主な市場と最先端技術にアクセスできていないこと。もう一つは、商業銀行の融資が極めて利用しにくいことが挙げられる。
インドでは、タタ財閥グループやリライアンスのような大企業が国際水準の生産や技術開発を達成し、世界市場に参入して、外国企業の買収も試みている。だが、課題は中小・零細企業にある。労働力が生産性を上げ、国際的な競争力をつけるには、上記の障害の除去は不可欠だ。
新政権が政策リストに加えていたらなおよかっただろう。
日本は、こうした問題の解決に貢献できる。日本企業は、アジアをはじめ世界に効率的な生産と供給のネットワークを張り巡らせている。そこにインド企業を組み込んでくれれば、インドも市場と最先端技術へのアクセスがかなうだろう。
すでにトヨタやホンダがインドの工場を東南アジアの生産網と連結し、世界規模の供給網にインドを組み込んでいるのが好例だ。
「ニッポン株式会社」にとって真の挑戦は、インドが抱える問題の解決に向け、より大きな責任を現場レベルで引き受けられるかどうかだ。日本企業は、投資案件に関する真っ当な要請に関して地方政府の対応が鈍くても、忍耐強くあって欲しい。
不具合は多くとも、活力みなぎる民主主義を持ち、複雑で多様なインド社会。その現実を日本に受け入れてもらいたい。
あえて言わせてもらおう。今後、ニッポン株式会社がインドのような国で成功できれば、国際競争の舞台でもっと効率的に立ち回る訓練になる。グローバルな舞台は同じように複雑で多元的であり、一見混沌とした民主主義に特徴があるのだから。
より高いレベルの経済の相互交流が両国の利益になるのは明らかだ。