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現場を旅する

[第99回]ウェツラー、文豪の悲恋を照らす光学の街

和気真也 GLOBE記者





街の景観
Photo: Wake Shinya
《ウェツラー》
フランクフルトからケルンを経由してベルギーのアントワープまで通じる貿易街道の途中にできた。市中をライン川支流のラーン川が貫く。13世紀にラーン川に石橋がかかり、現在の街の原型ができた。







大聖堂が見下ろす広場に秋の日差しが注ぐ。日だまりに出された喫茶店のテラス席で、数人の男女がアップルワインやコーヒーを楽しんでいた。ドイツ中西部の街、ウェツラー。広場の隅にある観光案内所へ行くと、係のアリッサ・ウォールさんが笑顔で迎えてくれた。「ようこそ光学とゲーテの街へ」


老舗カメラメーカー「ライカカメラ」が本社を置くウェツラーは、他にもカール・ツァイスなど光学機器のグループ企業が集積する都市だ。「街のあちこちに、光学を体験できる仕掛けがありますよ」と言いながら、ウォールさんが地図をくれた。


光学を体験できるオブジェ
Photo: Wake Shinya

まずはライカ本社を目指そうと、旧市街の南東の端にあるバス停へ歩く。と、途中で銀色の三角錐形のオブジェが目に入った。のぞき穴が二つ。のぞき込むと、あ~、なるほど。健康診断の視力検査でよく見る、だんだん小さくなる文字が書いてあった。こういうのも光学機器の一種か。


観光客らしき男性とすれ違った。首から下げているカメラの赤いマークを見て思わず声を上げた。「あ、ライカ」。ここから北方へ電車で2時間ほどの街から観光で来たという58歳の男性。カメラ歴30年。初めて手にしたカメラは日本のオリンパス製だったというが、その後はほぼ一貫してライカ愛好家だという。街を訪れるのは初めて。「ずっと来たかったが、仕事が忙しくて。良い雰囲気の街だよね」


大聖堂を中心とする旧市街地が出来たのは8世紀ごろ。木枠の格子窓が並ぶ独特の家が立ち並び、所々が石畳の道は風情がある。


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