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一食一会

「かもめ食堂」を実現 地道に和食の浸透を目指す

[第13回]フィンランド・ヘルシンキ

GLOBE記者 太田啓之

おにぎりほおばる現地客も

看板はマリメッコも手がけるデザイナー作
Photo:Ota Hiroyuki

ヘルシンキ中央駅から、市電と徒歩で20分ほどの場所にある「ラヴィントラかもめ(かもめレストラン)」は、店の外観も通りの様子も映画そのまま。それもそのはず、映画の撮影に使われたフィンランド人経営のカフェを、日本人実業家の小川秀樹(57)が譲り受け、16年5月に再オープンさせたからだ。内装も映画の雰囲気にできるだけ近づけた。


ただ一点、映画と異なるのはメニューの構成。和食もあるが、メインはフィンランドの郷土料理で、お薦めは「Oishii Finland(おいしいフィンランド)BOX」というお弁当だ。トナカイやニシン、シナモンロールなど、9種類の現地の料理を一度に味わえる。現状では、フィンランド人客よりも日本人観光客の比率が高いため、それを意識したメニューにしているという。


「塩気や甘みが強い料理を好む北欧の人びとに、和食のほんのりとした味わいを知ってもらうのは難しい」とマネジャーのエリック牧子(39)は話す。日本酒3種類の利き酒セットを始めたり、ランチの一品は必ず和食にしたり、と現地の人に和食をアピールする努力を続けている。


最近では、フィンランド人がおにぎりを両手でほおばったり、ラーメンを箸で食べようと悪戦苦闘したり、と、映画を彷彿とさせる情景も目立ち始めた。「こちらの味覚に合わせるのではなく、できるだけ本来の和食に近い料理で勝負したい」とエリック。「かもめ」のさらなる飛翔に期待したい。


(GLOBE記者 太田啓之)


太田啓之

1964年生まれ。ヘルシンキ滞在中はウィークリー・マンションで自炊にも挑戦したが、デパ地下の食材の豊富さには感嘆。日本のシイタケまでありました。

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