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一食一会

農学者のオリジナルレシピ 科学と調理の幸せな出合い

[第10回]スウェーデン・ストックホルム

国際発信部 中村裕

約2100円の価値は?

フリック(右)と共同オーナーの女性
Photo:Nakamura Yutaka

大学院で農学の修士課程を修了した2013年。ストックホルム市がフードトラックの営業希望者を初めて募ることを知り、友人とともに手を挙げた。「たいした元手も要らずに始められるビジネスだから」と振り返る。


自前でキッチンを備え付けた中型改造トラックで街に繰り出し、野外ロックコンサートがあるような日は1日1000個近いハンバーガーが売れた。ためたお金で開業したのが今のレストランだ。


「ハンバーガー以外のメニューもつくりたくなって。持続可能な方法でつくった地元の食材を使い、調理にもごまかしがない『本物』のレストランでね」


調理師修業ゼロのイケメン農学者が試行錯誤を重ねて「開発」したという数々のレシピも気になるが、やはりいただくのは、原点となったハンバーガー。


一口かじってみる。グリルした肉の香りが口の中にぷわーっと広がった瞬間、訪ねてきて良かったと思った。タマネギのシャキッとした歯ごたえ、バンズの絶妙な甘さとふっくらした食感も心地いい。手作りマヨネーズをベースにしたソースもうまみが深い。科学と調理の幸福な出合いが生んだ一品といったら、おおげさか。お値段160スウェーデンクローナ(約2100円)に、私は納得の価値を見いだした。


(国際発信部 中村裕)


中村裕

1967年生まれ。GLOBE記者を経て国際発信部次長。スウェーデン発祥のハンバーガーチェーン・マックスは全店が出すCO2排出量を吸収する70万本の植林をした。食べずに帰国したのが心残り。

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