RSS

一食一会

400度でいぶした肉と野菜 重労働を支えた大皿

[第9回]ノルウェー・スバールバル諸島

GLOBE記者 高橋友佳理

「もう一仕事」の力に

レストランの壁の前に立つスティアン・ハンセン
Photo: Takahashi Yukari

2009年から厨房で働くノルウェー人のスティアン・ハンセン(36)によると、材料はノルウェー本土から運ぶ。野菜や牛乳などは空輸するが、積み荷に載らないこともある。そんな時は、島にある複数のホテルで備蓄を分け合う。「肉体労働の炭鉱じゃ、食事がエネルギーの源で唯一の楽しみ。昔は2人分の大皿で出していたらしいよ」。今では多くの炭鉱が閉まり炭鉱夫は少なくなった。でも地元の人たちは、よく肉を注文するという。


レストランの壁には、当時の炭鉱や厨房の写真が貼られていた。酒をあおる姿もあるが、労働者たちは、移動できる範囲やお酒の量が制限されていたらしい。今では珍しくなったトナカイの肉も当時は食べていたというから、きつい重労働を心身共に食事が支えていたのだろう。


訪れたのは白夜のころ。夏でも風は肌を刺すように冷たかった。24時間照らすお天道様を見上げながら、「もう一仕事するかな」。そんな力が湧いてくる一品だった。(GLOBE記者 高橋友佳理)



高橋友佳理

1982年生まれ。国際報道部、社会部などを経て現職。北極圏に来てから、白夜のせいか軽い頭痛に悩まされた。でも、この食事で元気になった。

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Back number | バックナンバー

[第10回]スウェーデン・ストックホルム 持続可能なハンバーガー

[第10回]スウェーデン・ストックホルム
持続可能なハンバーガー

[第9回]ノルウェー・スバールバル諸島 炭鉱バーベキュー

[第9回]ノルウェー・スバールバル諸島
炭鉱バーベキュー

[第8回]米国・パロアルト フュージョン・スシ

[第8回]米国・パロアルト
フュージョン・スシ

[第7回]北マリアナ連邦・テニアン 干し肉

[第7回]北マリアナ連邦・テニアン
干し肉

[第6回]フランス・パリ ギョズレメ

[第6回]フランス・パリ
ギョズレメ

[第5回]韓国・全羅南道 ホンオフェ

[第5回]韓国・全羅南道
ホンオフェ

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示