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一食一会

素朴なクルド流ストリートフード 美食の都の「移民の味」

[第6回]フランス・パリ

GLOBE記者 宋光祐

店主のおじさん
Photo: So Kousuke

パリパリ、でも、ふわふわ


1枚目は刻んだホウレンソウとチーズ。葉の苦みとチーズの塩気が口の中でうまく混ざる。ジャガイモとタマネギ入りの2枚目は、スパイス控えめでやさしい味。何より軽く焦げ目のついた生地に、パリパリとふわふわ両方の食感があっておいしい。半径15センチの大きさも得した気分だ。


クルド人は、主にトルコやシリア、イラン、イラクにまたがって世界に3000万人いるとされるが、祖国を持たない。


パリのクルド研究所によると、フランスには23万~25万人が住む。もとは1960年代に労働者として来たが、70年代末から90年代に中東情勢が不安定になり、難民が増えた。


店主のメティ・タヌリベルディ(52)は17年前にトルコからパリに来た。「トルコでは自由に生きられなかった」。渡仏の理由を尋ねても、語りたがらなかった。


実はクルド料理は、トルコ料理と重なる部分が多いと後に知った。ギョズレメはトルコでも名物の一つらしい。それでも、メティは「クルドの料理だ」と言っていた。


自分の国を持たない人たちが食べ物に込めるアイデンティティー。その重みを改めて感じた。


宋光祐

1977年生まれ。名古屋報道センターなどを経て現職。取材後に振り返ってみると、クルド料理以外で、パリで外食したのは、ベトナム料理である米の麺フォーだけだった。

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