RSS

一食一会

[第1回]タカカ(ブラジル・マナウス)

みそ汁風スープ、酸味と塩味、 しびれの「協奏曲」

江渕崇 ニューヨーク支局員

photo:Ebuchi Takashi

オススメだという屋台「POINT DO TACACA」に向かった。タカカのために人が集う場所、というほどの意味だ。店名の通り客足が絶えない。タカカはフルーツの殻でできた、ひょうたんのような器に注がれる。一杯17レアル(約600円)。早速いただいた。


濃い。何もかもが濃い。


最初に感じるのは強烈な酸っぱさ。マンジョッカイモの液を煮詰めて発酵させて作ったスープによるものだ。思わず「酸っぱ!」と声が出た。干しエビから出た塩分のせいだろう、すさまじくしょっぱくもある。そこへジャンブーのしびれが舌に追い打ちをかける。


正直に告白しよう。まずい、と思った。しかし、店の人たちがずっとこちらの反応をうかがっている。ギブアップするわけにもいかず、うまそうに食べるふりを続けた。するとどうだろう。あれ? 結構いける。酸味と塩味、しびれの協奏曲。だんだん、どれかひとつ欠けても物足りない気がして、10分ほどで完食した。客のパウロ・チアゴ・ヴァスカス(36)は40キロ離れた家から週に1度は来る。「禁断症状ですね」


店主のイヴェチ・リマ・ジョージ(58)は30年前、この店でタカカを作り始めた。なじみ客は3000人以上。「最初に味見してもらう。エビもジャンブーもケチらない。誠実に商売をしてきたので、お客さんが来てくれるんだと思う」



ニューヨーク支局員 えぶち・たかし

1976年生まれ。経済部、GLOBEなどを経て4月から現職。GLOBE3年間の海外出張で出合った食べ物ではタカカが最も強烈だった。アマゾンの川魚料理は口に合わなかった。

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Back number | バックナンバー

[第7回]北マリアナ連邦・テニアン 干し肉

[第7回]北マリアナ連邦・テニアン
干し肉

[第6回]フランス・パリ ギョズレメ

[第6回]フランス・パリ
ギョズレメ

[第5回]韓国・全羅南道 ホンオフェ

[第5回]韓国・全羅南道
ホンオフェ

[第4回]タイ・チャイヤプーム スカトー寺の食事

[第4回]タイ・チャイヤプーム
スカトー寺の食事

[第3回]ラオス・ルアンプラバン カオソーイ

[第3回]ラオス・ルアンプラバン
カオソーイ

[第2回]インド・ニューデリー ケバブ

[第2回]インド・ニューデリー
ケバブ

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示