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[第10回]瀋陽駅(中国・遼寧省瀋陽)

交わる日中の「重い歴史」と夢

瀋陽支局長 平賀拓哉

瀋陽駅前の東広場。左下は瀋陽駅に到着する高速鉄道。
photo: Hiraga Takuya
1920年代の奉天駅(現・瀋陽駅)。中央部の外観は現在とほとんど変わらない
(写真は『名城印象 瀋陽建築図史』(大連理工大学出版社、2010年)から)


中国・遼寧省の瀋陽駅前は、いつも騒々しい。「空港! 北駅!」と行き先を怒鳴りながら客引きするタクシーの運転手たち。大きなスーツケースを引く乗降客は赤信号もお構いなしに大通りを渡り、自動車のクラクションが鳴り響く。みなぎるパワーに圧倒されるばかりだ。


そんなとき、赤れんがの駅舎を見るとどこか懐かしく、ほっとする。駅舎は1910年、日露戦争に勝って東清鉄道南満州支線の一部を手に入れた日本によって建てられた。当時、奉天と呼ばれた瀋陽は交通の要。東京駅を手がけた建築家の辰野金吾に学んだ日本人が、モダンな駅舎を設計した。ドーム状の屋根や外壁の装飾は、ほぼ当時の姿のままだ。

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