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駅・Terminal

[第7回]アトーチャ駅(スペイン・マドリード)

旅人癒やす300種類の植物

社会部記者 田玉恵美



24年前まで、ここには列車のプラットホームがあった。植物園の中には通り道があり、間近を散策できる。
photo: Tamada Emi

スペイン中央部に位置するアトーチャ駅は、19世紀に建てられたれんがづくりの優美な駅舎を誇る。東部のバルセロナや南部のセビリア、ポルトガルの首都リスボンなどへ向かう高速鉄道を乗り継ぐ旅人たち。徒歩圏にあるプラド美術館やソフィア王妃芸術センターなどへ向かう観光客。この街を訪れる人が一度は通るマドリードの玄関口だ。


1992年、バルセロナ五輪が開かれた年に隣接する形で新しい駅舎が完成すると、元あった駅舎は外観をそのままに、緑あふれる植物園へと姿を変えた。「当初はただの待合室にするつもりだったのが、上層部の意向で急きょ計画が変わったのです」と駅を管理するスペイン国鉄のファン・アイラウルは説明する。


5大陸から集められた300種、4000の植物が情熱と太陽の国へやってきた人々の目を癒やす。高さ30メートル近い天井を見上げると、スプリンクラーから霧状の水が降り注いでいた。マドリードは内陸型の気候で夏は暑く、冬は寒い。こうして温度や湿度を一定にするのに年間600万円ほどの経費がかかるという。



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