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世界のスポーツ

億万長者サッカー選手の社会貢献 ライバルもピッチ外で協力

[第102回]


欧州には「高貴な人は弱者を助ける」というノブレス・オブリージュ(高貴な者の責務)の伝統が根づく。巨万の富を稼ぐサッカーのスター選手が立ち上げた社会貢献事業に、ライバルたちも参加を始めた。(編集委員・稲垣康介)



鮮やかな左足のフリーキックがゴールネットを揺らす。マンチェスターUのフアン・マタは、ピッチ脇のテレビ中継用のカメラに向かって駆け出し、手のひらをあわせた。仲間との歓喜の輪がとけると、念を押すように再びカメラに向かい、もう一度手を合わせ、おじぎした。


昨年12月23日、サッカーのイングランド・プレミアリーグ(1部)、岡崎慎司が所属するレスターとの一戦での一コマだった。このポーズには、特定の子どもたちへのメッセージがあった。


スペイン代表のミッドフィールダーとしてワールドカップ(W杯)、欧州選手権優勝に貢献してきたマタは昨年8月、社会貢献活動をスタートさせた。年俸の1%以上を恵まれない子どもたちに支援するプロジェクト。名称は「COMMON GOAL(コモンゴール=共通のゴール)」。「共通の目標」と訳した方が、意義が伝わるかもしれない。


昨秋、インド最大の都市ムンバイの貧困地区で暮らす子どもたちを英マンチェスターに招いたとき、ゴールを決めたらインド流のあいさつの作法「ナマステ」のポーズをすると約束していた。


29歳のマタは、これまでバレンシア(スペイン)、チェルシー(イングランド)で活躍するなかで、チームメートが慈善活動に力を入れるのを見てきた。昨夏にムンバイを訪れ、子どもたちと触れあう機会があった。「いかに自分が恵まれた環境で暮らしてこられたかを実感したし、厳しい生活を強いられている人たちがいることにも改めて気づかされた」



(次ページへ続く)

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