RSS

世界のスポーツ

開催なるか? 幻の200キロ滑走 オランダのスケートマラソン

[第101回]



買い物に行くのもスケートで

Photo: Sakakibara Issei

オランダでは、運河が凍ればスケート靴を履いて通勤し、買い物にも出掛ける。2014年ソチ冬季五輪で、出場国・地域トップの23のメダルをスピードスケートで獲得したのは、スケートが生活に根付いていることと無縁ではない。


それだけにスケートマラソンの存在感は特別だ。スピードスケート日本代表コーチでオランダ人のヨハン・デビット(38)は「大会にはみんな出たいと思っている。気温が零下になれば氷が張ったのでは、とウズウズし出す」と言う。選手の中には、大会が開催されれば五輪を諦めてこの大会に出るという人もいるほどだ。


大会優勝者はスケート靴などが博物館に展示される。多額の賞金が出るわけではないが、国民的スポーツの英雄として人々の記憶に刻まれる。


大会が開かれなかったこの20年間で、開催への期待が高まった年がある。厳冬が訪れた6年前の12年。地元メディアも人々も盛り上がった。だが、11市のうち2市で、氷の厚みがわずかに15センチに届かなかった。


大会は過去15回のうち14回が1、2月に開かれた。博物館を営むボーツマーは「生きている間にもう一度」と願う。ゴール手前には、過去の出場選手をたたえるタイルで装飾された橋がある。それを眺めていたイエッサー(19)は「大会のことは両親から聞いた。一度見てみたい」。今年こそ、分厚い氷が張るほどの厳冬はやってくるのだろうか。


(文中敬称略)




さかきばら・いっせい

1979年生まれ。スポーツ部でスピードスケートなどを担当。今回の取材で、日常に息づくスケート文化を肌で感じ、オランダ選手の強さの理由が分かった気がした。

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示