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[第91回]ゴルフのW杯 65年目になされた再評価






男子ゴルフ団体の伝統の一戦、国・地域別対抗戦ワールドカップ(W杯)。近年影が薄くなりつつあった大会が今、競技方法をめぐって再評価されている。個人競技をチームで戦う、その魅力とは。(スポーツ部・渡辺芳枝)



羊がのんびりと、ゴルフコースの周りの牧場で草をはんでいる。大歓声は、そこまでとどろいた。


豪メルボルンの中心から車で約30分のキングストンヒースGC(ゴルフクラブ)。昨年11月、ここで4日間にわたってゴルフのW杯が開かれた。参加したのは、28の国・地域を代表してペアを組んだ、世界トップ級のプロ選手56人。観客らは国旗を振ったり、選手名を顔にペイントしたりして応援を楽しんだ。


「感動をチームや観客と分かち合える。ゴルフ人生で最も素晴らしい経験だ」。2010年全米オープン覇者で、英国・北アイルランド出身ながら今回のW杯はアイルランド代表として出場したグレーム・マクダウエル(37)は、感極まったように語った。


個人競技のゴルフを団体で戦うルールはこうだ。今大会は4日間のうち、2日間は一つの球をチーム2人で交互に打つ方式。あとの2日は個々にプレーをして、ホールごとに良かった方のスコアが採用された。



賞金総額は800万ドルに上るが、ツアー賞金ランキングには加算されない。世界ランキングにつながるポイントも得られない。もともとは毎年開かれていたが、スポンサー不足などで09年以降は2年に1度、13年以降は3年に1度の開催となっている。


それでも、このW杯を「お手本」にしようという動きがある。


2020年東京五輪の競技方式を決める9月の国際オリンピック委員会総会に向け、いま国際ゴルフ連盟(IGF)はW杯をモデルに話し合いを進めている。日本ゴルフ協会も昨年10月、IGFに東京五輪では団体戦を採るよう求めていた。


02年W杯で優勝した丸山茂樹(47)は「東京五輪も、このW杯の流れでやればいいんじゃないの」と提案する。


背景には、個人戦を採用した昨夏のリオデジャネイロ五輪の失敗がある。男子は112年ぶりの五輪競技復活だったが、普段のツアーと同じように選手一人ひとりのスコアで争われたゴルフは、盛り上がりを欠いた。




(次ページへ続く)

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