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世界のスポーツ

[第85回]有名選手を「爆買い」 中国のサッカー強化策






中国サッカー界が、海外の有名選手を次々と「爆買い」し、世界から注目を集めている。強力な助っ人のお陰で、クラブチームは強くなったが、代表チームの実力はまだまだ不足していると言われる。国家主席・習近平の大号令のもと、強化プロジェクトが進む。(瀋陽支局・平賀拓哉)



「落ち着いて! ボールをしっかりコントロールして!」


中国東北部・瀋陽市の西塔朝鮮族小学校の校庭で、トレーニングウェア姿の子どもたちが慣れない足取りでドリブルの練習に励んでいた。指導にあたる体育教師の文永春(42)は「小さいうちにボールに慣れることが重要です」。隣の中学校でも、選抜チームの対抗リーグ戦が開かれるようになった。


きっかけは、政府が昨年3月に発表した「中国サッカー改革全体プラン」だ。中国を世界のサッカー強豪国にすることを目指し、草の根レベルでのサッカー普及に重点を置いている。2020年までに全国に約2万の「校庭サッカー特色校」をつくる計画で、瀋陽の両校は、この特色校に指定された。


厳しい大学入試が待ち受ける中国では、子どもたちが放課後、スポーツに取り組むのは極めて異例のことだ。だがプランの発表後、各地でサッカー場建設やスクール設立の動きが報じられている。



アジア覇者に


壮大な計画の裏には、「サッカー好き」を公言する習近平の意向がある。習は主席就任前の11年、韓国の政治家から、欧州でも活躍した元韓国代表の朴智星(パク・チソン)のサイン入りボールを贈られ、「私には三つの願いがある」と語ったという。中国代表チームがワールドカップ(W杯)に出場し、中国でW杯を開催し、W杯で優勝すること。今では習の「中国サッカー三つの夢」として広く知られる。


16のクラブチームからなる1部リーグ「スーパーリーグ」は、今や世界のサッカーファンの注目の的だ。クラブの親会社の潤沢な資金力にものを言わせ、海外のスター選手を次々と獲得。15-16年冬の移籍市場でリーグが支払った移籍金は、計3億1000万ユーロ(約355億円)と、断トツの世界一だった。今夏の移籍市場でも、上海上港がブラジル代表FWのフッキを獲得。移籍金は推定5500万ユーロ(約63億円)とされ、リーグ史上、最高額を更新した。


監督も、元ブラジル代表監督のスコラーリが広州恒大、元イングランド代表監督のエリクソンが上海上港などビッグネームが並ぶ。元日本代表監督のザッケローニも今季、北京国安の監督に就任したが、成績不振で5月に解任された。


相次ぐ補強で、リーグのレベルは上がった。アジアサッカー連盟主催で各国のクラブチームが競うアジア・チャンピオンズリーグでは、広州恒大が13年と15年に頂点に立った。広州恒大は50面のサッカー場を備えたアカデミーも開設し、エリート養成に力を注ぐ。

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