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テロでなく、文化や歴史を

1月から東京、名古屋、神戸で「イスラーム映画祭2」






中東やアジアなどに暮らすイスラム教徒の素顔を描いた作品を集めた「イスラーム映画祭2」が1月から3月にかけて、東京、名古屋、神戸で開かれる。2015年12月の前回は、直前にパリで同時多発テロが起きたこともあり、内外の関心を集めた。ただ、企画した藤本高之さん(44)は、「あのテロがあったから映画祭が開かれたと思われては心外です。だから、続けていこうと決めました」と話す。 (GLOBE編集部・高橋友佳理)



1回目に上映したのはパキスタンやマレーシア、イランなどイスラム教徒が多数を占める国の9作品。東京のみの開催だった。今回は、タイやインドなど、イスラム教徒が少数派の国で製作された作品も取り上げる。


前回は偶然、パリのテロ事件で欧米を中心にイスラム教徒への偏見が強まる中の開催となった。このため、映画祭の様子は日本のメディアが取材し複数の言語で世界にも伝えられた。主催者には、米国やフランスなどにいるイスラム教徒からも「日本人がイスラム教に関心を持っているとは知らなかった」「こういうアプローチはありがたい」などの反響が寄せられたという。

藤本高之さん

藤本さんはかつて沢木耕太郎の「深夜特急」に憧れ、20代のころに脱サラし、バックパッカーとして計1年半ほどの旅でアジアや欧州の28カ国を回った。その中で、イスラム教徒が見も知らぬ旅人を歓待してくれたことが強く印象に残った。



帰国後の2001年、米ニューヨークで同時多発テロが起きる。藤本さんの中にあった「イスラム教徒」のイメージと、ニュースで流れる「イスラム教徒」のずれが気になり始めた。ここ数年、過激化組織「イスラム国」(IS)による残虐な行為が報道されるようになり、その思いは強まった。旅をして現地に行く代わりに、多くの日本人に映画で疑似体験してもらい、本当の姿に触れてもらえないか。そんな思いが強まり、15年末に映画祭の開催にこぎつけた。


私たちはどこに行くの(2011年、フランス=レバノン=エジプト=イタリア)


今回は、昨年7月にテロがあり日本人が巻き込まれたバングラデシュが舞台の映画「泥の鳥」も盛り込んだ。だが藤本さんは、「作品を通じて感じて欲しいのは、テロと結びつけられることでも、日本の援助を受けている国という姿でもない。この地方に伝わるバウル音楽など土地の文化や歴史です」と話す。


泥の鳥(2002年、バングラデシュ=フランス)


「イスラーム映画祭2」は1月14(土)から20日(金)、東京・渋谷のユーロスペースで。上映後に計5回、写真家や留学生らのトークイベントも予定されている。1月21日(土)からは名古屋シネマテーク、3月25日(土)からは神戸・元町映画館で。詳しくは公式サイト


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