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[第41回]IMF・世銀総会、なぜ日本で?/役割探す国際機関

山脇岳志 Yamawaki Takeshi (編集委員)


IMF(国際通貨基金)と世界銀行の大きな会合が、今月、仙台と東京で開かれた。昨年急きょ決まった日本開催の背景には、震災後に国際発信を強めたい日本側と、世界経済の変化のなかで新しい役割を探る国際機関側の思惑の一致があった。




10月13日に東京で開かれた世界銀行・IMF合同開発委員会=ロイター

今月10日、国際通貨基金(IMF)の専務理事、クリスティーヌ・ラガルドは、成田空港に着くとそのまま仙台に向かった。世界銀行総裁のジム・ヨン・キムは、前日に東京に入り、東北新幹線に乗り込んだ。ともにあわただしい旅である。


2人は「防災と開発に関する仙台会合」に参加し、被災地も視察した。IMFと世界銀行の年次総会に先立つ特別イベントだった。


日本で年次総会が開かれるのは48年ぶりのことである。そのプレイベントを、東京ではなく仙台で開くよう提案したのは、日本政府だった。


それは、世界銀行にとっても「渡りに船」の面があった。1970年代以降、世界銀行やIMFは常に存在意義を問われている。被災地での開催は、防災という新しい分野での貢献を、世界にアピールする場にもなる。


IMF・世界銀行は、年に2回、春と秋に、世界中の閣僚や中央銀行総裁らが集まる総会を開く。ふだんはワシントンが舞台になるが、秋の大会は3年に一度、ワシントン以外で開かれる。世界の注目を浴びる会議だけに、誘致合戦も激しい。


今秋は、もともとはエジプトで開く予定だった。しかし、民主化を求める「アラブの春」が急速に広がり、昨年春には、エジプト政府の開催方針が揺らぎ出す。


この金融の大イベントには、民間銀行の首脳や各国メディアなども含め、約2万人もの関係者が国外から訪れる。


その国にとって経済効果もあるが、ホテルの手配、警備も含めて大変な作業になる。1年あまりしかない準備期間で、どこなら実施できるのか。IMFは、ひそかに対策を練り始めた。


昨年4月27日、ワシントンのIMF本部。専務理事(当時)のドミニク・ストロスカーンの側近が、日本代表理事の古澤満宏(現・財務省理財局長)の部屋を訪ねてきた。東日本大震災からまだ1カ月半しかたっていない。


「日本で総会を開けないか。IMFや世銀が、日本に長年支えてもらった恩返しにもなる」


突然のことに古澤は驚いたが、「それはいいアイデアだ」と答え、すぐに東京につなぐ。「48年前は戦後からの復興、今回は震災からの復興をアピールする場になる」。古澤はそう考えた。…続きを読む

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