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民主党が総選挙で圧勝した。
海外での関心も極めて高い。なにせ半世紀以上ぶりの本格的な政権交代である。「台頭する中国、衰退する日本」というイメージが固定化した近年、エリート層の外国人が日本のニュースにこれほど引きつけられたのは初めてではないか。
日本のあらゆるメディアは、政権交代の意味と意義を解説する識者であふれかえっている。だが、その分析を直訳し、日本政治についてよく知らない外国人に聞かせても、まず理解できない。
新たに政権の座についた民主党について、きちんとした情報が提供されているだろうか。
「いったい、どんな考え方の政治家がいるのか、教えて欲しい」「彼らの外交・経済政策が知りたい」
8月末の総選挙の前後。私のもとには、BBCやブルームバーグ、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)アジア版など各種メディアから、テレビへの出演や取材の依頼が次々と飛び込んできた。
私が民主党の動きを中心に日本政治について英語で執筆しているブログ、「オブザービング・ジャパン」の閲覧件数は跳ね上がった。
期せずして、外国のテレビに登場する数少ない「民主党の解説者」になった私といえば、現在、マサチューセッツ工科大博士課程で政治学を専攻する26歳の大学院生である。
日本への興味は高校時代、村上春樹などの日本文学から始まった。日本語を独学し始め、大学では、日本への関心と、もともと持っていた政治への興味が結びつき、卒論のテーマは「明治維新」。留学先のケンブリッジ大では、冷戦後の日米安全保障関係を修士論文にまとめた。
その過程で、私は日米双方の専門家に数多くインタビューした。米国側は、ハーバード大教授のジョセフ・ナイ、ブッシュ前政権の高官だったマイケル・グリーン、現政権の国務次官補であるカート・キャンベルら大物はほぼ網羅した。
日本側では多くの国会議員に会ったが、その一人が、民主党の浅尾慶一郎参院議員(当時、現・みんなの党衆院議員)である。その縁で、鎌倉にある浅尾議員の地元事務所で06年秋から07年の参院選までの10カ月、秘書として働く機会を得た。
選挙区で「どぶ板」を踏み、秘書仲間と支持者とのつきあいをつぶさに観察した。日本の政治記事をむさぼり読み、気づいたことをブログに書き始めたのが07年のことだ。
民主党にフォーカスしたのは、所属議員の秘書ということもあるが、野党とはいえ力をつけつつある民主党に関して、まともな情報が不足していると感じたせいもあった。
(次ページへ続く)
1982年、米シカゴ生まれ。2005年に米ブランダイス大学(政治学、歴史学)を卒業した後、英ケンブリッジ大学で国際関係学の修士号を取得。日本政治や日米関係を中心としたブログ“Observing Japan”は、日本語訳がニューズウィーク日本版のウェブサイトに掲載されている。今夏は日本に2カ月半滞在し、四国や中国地方などの選挙区を取材した。