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世界と日本を考える

[第2回]練り上げよ、生活者の言語 「中国には活力はあるが、言論の自由がない」という思考様式の欠陥
孫歌 Sun Ge 政治思想史研究者

ジャック・アタリ氏=エルザ・カディエ氏撮影
孫歌氏=東川哲也撮影

元日の朝、北京の我が家に、韓国の友人から新年を祝う電話がかかってきた。友人は、その電話で、もし今年北京に行けたら、我が家での通例の読書会に参加してから、台所で韓国料理を作ろう、と提案してきた。「お勉強も大事だけど、一緒に作って食べることも大事だよ」と。
その電話が終わると、続いて今度は香港から、最近まで大陸での農村建設運動に関(かか)わってきた友人からの電話があり、北京のある有機農業の会社の電話番号を教えてきた。その会社のメンバーは、農村建設運動を支えた人たちで、いまや農村で有機農業のネットワークを作って、米、大豆、胡麻(ご・ま)などの食料と何種類かの野菜や卵などを北京の消費者に提供している。「彼らに電話すれば、遺伝子組み換えなしの大豆などがすぐに届くよ。良質な豆乳が作れるわよ」と。
新しい一年は、なにやら「生活」からスタートしたようだ。(次項に続く)

略歴

孫歌 Sun Ge 政治思想史研究家

スン・グー。 中国社会科学院文学研究所研究員。55年、中国吉林省長春市生まれ。吉林大学卒。日本の東京都立大学で博士号(政治学)を取得。一橋大客員教授などを歴任した。専攻は日本政治思想史。日本語の著書に『アジアを語ることのジレンマ』(岩波書店)、『竹内好という問い』(同)。『歴史の交差点に立って』(日本経済評論社)など。日本、中国にとどまらず、東アジア各地で活発な対話と発言を続けており、台湾や韓国、日本の研究者とともに論文集『ポスト〈東アジア〉』(作品社)も出版している。
(本稿は日本語で寄稿された)

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