RSS

世界の食を訪ねて

愛するがゆえに湧く嫌悪 レストランへの複雑な心

[第18回]マイケル・ブースの世界を食べる





未知の料理やレアなワインなどレストランには楽しみがいっぱい。

でも、店を愛する筆者だからこそ見えるマイナスもあるようで……。



私は外食が大好きだ。機会があれば、新しいレストランのテーブルで、メニューを開こうとする瞬間にずっととどまっていたい。


期待がふくらむ素晴らしい数秒間は、可能性に満ちた至高の瞬間だ。?回のうち9回以上の外食で落胆しても、特別な1回に出合うチャンスはいつだってある。日本料理店で「おまかせ」を頼むときもしかり。シェフは何を作ってくれるのだろう。どんな未知の体験が待ち構えている?

これはレストランの素晴らしさの、ほんの一例だ。よく鍛えられたウェイターが誇りを持って働くさまを拝めたり、めったに出合えないめずらしいワインや酒を試せたりするのもいい。食べる役目に徹することができるのも嬉(うれ)しいし、洗い物をしなくていいなんて最高だ(誰かさんの小言を聞かずに済むのも!)。


レストランにしか作れない料理もある。その一つがラーメンだ。誰が自宅で一日かけて豚や鶏の骨を煮込むだろう。豚足の骨を取り除くのも、野ウサギの王家風と呼ばれるリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルのばかばかしいほど複雑で厄介な下ごしらえもご免だ。天ぷらは自分で作るたび、何日も揚げ油のにおいが残る。しかし、こういうことを自分に代わってすべてうまくやってくれる類いの人がいることもわかっている。



(次ページへ続く)

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示