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世界の食を訪ねて

カンボジアのバレンタインの主役は、クマ! チョコレートはどこへいった?

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第41回]

クマの花束「熊束」。もはやホラー……


私がよく行くタピオカミルクティー屋で、今なら2杯買うと「ストロベリースイートハート」をプレゼント!というキャンペーンをやっていました。


なんか、甘ったるそうな名前のドリンクは、その名の通りピンクで、思った通り練乳入りで、甘かったです。



なんでこんなキャンペーンを始めたのかと考えてみたところ「バレンタインデー」だからでした。


と、いうわけで、カンボジアのバレンタイン市場を確認するため、おしゃれな若者が集まるイオンモールプノンペンに急行してみました。


そこでは、やっぱり売ってるではないですか! チョコレート!


しかし、このコーナーにバレンタインの文字がないのが気になります。

そして、その隣のコーナー! ピンクと白のハート満載のここにあるのは、オレンジジュースと、コーンフレーク……。



チョコレートはどこにいった……。

実は、これは当たり前で、バレンタインデーに女性が男性にチョコレートをあげるという習慣は、私が知る限り、日本と韓国、中国の一部くらいのもので、ワールドワイドなものではぜんぜんありません。

バレンタインの起源は諸説あるのですが、キリスト教の司祭、バレンタイン司教に由来するものだといわれています。

愛の記念日であることは世界各国共通で、本家本元の西欧では、「女性が男性に」や「チョコレート」などの縛りはなく、恋人や親しい人に、花やケーキやお菓子、手紙などを贈る日とされています。

日本式バレンタインは「女性が男性に」という縛りがあるため、「男性が女性に」というホワイトデーが作られましたが、西欧にはこんなものは全くありません。


ご存じ、ジャージャー麺

そして、韓国ではさらに悪のりをして、恋人がいない人がジャージャー麺をくらう「ブラックデー(4/14)などというさらに意味不明な日も生まれています。


さて、我らがカンボジアではどうでしょう?

実は、バレンタインデーの一番多い贈り物は、テディベアのぬいぐるみです。


これは、東南アジアでは一般的で、先週訪れたベトナム・ホーチミン市の高島屋の入り口にも、ピンクのクマが飾られていました。



あふれかえる、クマ、カラフルなクマ、そして、クマの花束(熊束)

百花繚乱(百熊繚乱)のクマ祭りです。



そもそも、カンボジアは仏教国で、キリスト教は関係ないはずなのですが、そこは、クメール・ニューイヤーが4月にあるにもかかわらず、1月1日も、1月から2月のチャイニーズ・ニューイヤーも祝って休みにする国民性なので、バレンタインデーも、全力で乗っかってきます。


また、カンボジアにはイスラム教の人もいるのですが、楽しそうにバレンタインの飾り付けの前で写真を撮っていました(ちなみにサウジアラビアでは宗教指導者がバレンタインデー禁止を打ち出しており、祝うと宗教警察に捕まるそうです)。



個人的には、このような東南アジアの緩さが好きなので、カンボジアのみなさんにも、バレンタインデーを楽しんで欲しいと思っています。


そんななか、衝撃を受けたクマグッズがこれ



クマの頭にバラを突き刺して……これはあかん……動物虐待。


そして、その後ろに見えるのが「岡本」(具体的に何かを知りたい人は「オカモト株式会社」で検索して下さい)。


最近はカンボジアではバレンタインデーが、一昔前の日本のクリスマスのように男女の恋愛成就勝負の日になっているそうで、若い男女がこの日をターゲットに熱いアプローチを繰り広げているようです。


実に健全で、素晴らしいと思います。

普段はおくてなカンボジア人ですが、バレンタインは野生のクマのように頑張って下さい!



(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

第24回:「意外にエコ?フィリピン驚きの皿洗い事情」

第25回:「ウニは貧乏人の食べ物!? 世界じゃこれは、ゲテモノ料理!?」

第26回:「中華料理屋は世界のオアシスである。異論は認める」

第27回:「出張、サムライカレー!カンボジアのカレーを日本人に受けるようにカスタマイズしてみた!」

第28回:「カンボジアのカレーは福岡のサッカースタジアムで売れなかった! 顧客志向の大切さを改めて考える」

第29回:参入障壁の低さは過当競争を招く 激烈!カンボジアレストラン事情

第30回:東南アジアで食器を消毒する方法

第31回:あなたの訪れたインド料理屋の店員もネパール人かも

第32回:極私的 一番刺激的で、一番不味かった国、キューバ。

第33回:アジアの空港ラウンジに見る、「おもてなし」事情

第34回:ベトナム人に有名な日本人「ドレーモン」

第35回:年に3回お正月があるカンボジア。正月料理は、カレー?

第36回:極彩色が好きだけど、彩りは不要? カンボジア人の野菜の好み

第37回: 路上で豚の丸焼き、生バンドコンサート! カンボジアの結婚式は派手なんです!

第38回:カンボジアでも大人気? LINEのクマは神出鬼没

第39回:激烈! プノンペンコーヒー戦争!

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