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世界の食を訪ねて

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激烈! プノンペンコーヒー戦争!

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第39回]

レアアイテム スターバックスカンボジア限定マグカップ


前回(http://globe.asahi.com/food/2017012900001.html)、カンボジアでの私のフェイバリットドリンクはタピオカミルクティーであるとお話ししましたが、多くのカンボジア人はコーヒー大好きです。


2017年2月現在、スターバックスコーヒーが3店舗あり、それと同レベルのきれいなカフェもあちこちにあります。


価格もコーヒー1杯3~4ドル(約330~440円)と、一般的なカンボジア人の月給200ドルと比べると割高なのですが、小金持ちのきれいな身なりのカンボジア人が楽しそうにコーヒーを飲んでいます。


そして、一般的なカンボジア人がよく飲んでいるのは、0.5~0.75ドル(約60~80円)程度のカンボジアローカルのコーヒー。このようなコーヒーは、よく屋台で売っています。


このコーヒーの屋台の先駆けとなったのは、私の知る限り、日本人が経営しているウエダコーヒーです。


庶民にも買える値段でコーヒーを提供する、特徴的なピンク色のトゥクトゥク屋台を街じゅうに出していて、ウエダコーヒーの名前はプノンペンでいっきにメジャーになりました。


しかし、このウエダコーヒーの成功をみて、他の業者も黙ってはいません。

はやり物にはすぐさま乗ってくるカンボジア人。次々と路上トゥクトゥク屋台コーヒー戦線に突撃してきます。



木造っぽい塗装をしたC&Dコーヒー。


コーヒーだけでなく、フルーツシェイクなども売っているJUNEコーヒー。


宅配感を前面に出したMobileコーヒー


どう考えても、青色のあのサイトへのオマージュである、Like(いいね!)コーヒー


などなど、似たようなコーヒー店や屋台がやたらとたくさん出てきており、明らかに供給過剰になっています。



ちなみに、上記の写真のコーヒー屋台はすべて、同じ通り沿いの約20メートルの間にあったものです。日本のコンビニもびっくりのコーヒー屋台過密都市、プノンペン。


ときどき、駐車しているだけなのか、捨てられているのかよく分からない屋台も道ばたにあります。



この過密っぷりは、屋台だけではなく、きれいなカフェもまたしかりです。

サムライカレー周辺に君臨していたおしゃれカフェ、エキゾチックカフェ。



ここは、先進国クラスの素晴らしいカフェで、周辺の在住外国人のたまり場となっていたのですが、2016年頃から近所に同レベルのハイクオリティーカフェが大量に発生してきました。


居心地の良さでは同レベルのため、どうしても価格競争になりがちで、2年前は1杯3~4ドルだったコーヒーの値段が、いつのまにか2~3ドル(約220~330円)に値下がりしていました。


同様に、きれいなマンションもできすぎていて家賃が下がっており、実に住みやすくなっている街・プノンペン。

しかし、そこで商売をやっていくのはなかなか厳しいものがあります。




(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

第24回:「意外にエコ?フィリピン驚きの皿洗い事情」

第25回:「ウニは貧乏人の食べ物!? 世界じゃこれは、ゲテモノ料理!?」

第26回:「中華料理屋は世界のオアシスである。異論は認める」

第27回:「出張、サムライカレー!カンボジアのカレーを日本人に受けるようにカスタマイズしてみた!」

第28回:「カンボジアのカレーは福岡のサッカースタジアムで売れなかった! 顧客志向の大切さを改めて考える」

第29回:参入障壁の低さは過当競争を招く 激烈!カンボジアレストラン事情

第30回:東南アジアで食器を消毒する方法

第31回:あなたの訪れたインド料理屋の店員もネパール人かも

第32回:極私的 一番刺激的で、一番不味かった国、キューバ。

第33回:アジアの空港ラウンジに見る、「おもてなし」事情

第34回:ベトナム人に有名な日本人「ドレーモン」

第35回:年に3回お正月があるカンボジア。正月料理は、カレー?

第36回:極彩色が好きだけど、彩りは不要? カンボジア人の野菜の好み

第37回: 路上で豚の丸焼き、生バンドコンサート! カンボジアの結婚式は派手なんです!

第38回:カンボジアでも大人気? LINEのクマは神出鬼没

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