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世界の食を訪ねて

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年に3回お正月があるカンボジア。正月料理は、カレー?

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第35回]

ベトナム風。パンにつけて食べます


あけましておめでとうございます。

私は、12月をベトナム→日本で過ごし、1月1日の朝、お雑煮を食べてから飛行機に乗り込み、


プノンペンに戻ってきました。


日本では正月気分が抜け、通常業務がスタートしているころと思いますが、ここカンボジアでは正月気分は1月1日だけで、30℃を超える気温の中、定常運航しております。


「カンボジア人、なかなか働き者だな」と思いそうになりますが、そう感じられるのは今だけ。実はカンボジアは、世界でも有数の祝日の多い国なのです。


コンサルティング会社・マーサーが2014年に公表した、世界63カ国の祝日に関する国際調査によれば、日本の祝日は15日(2016年から1日増えて16日ですね)で、ランキング第5位となっています。


最も多いのはコロンビア、インドの18日。一番少ないメキシコが7日、イギリスは8日、アメリカは10日ですから、日本はかなり多い方だということがわかります。


ただ、このデータは、すべての国を網羅しているわけではありません。

そして、我らがカンボジアのカレンダーを見ながら祝日の日数を数えてみると、大変なことになっています。


カンボジアの祝日、まさかの27日!

インドとコロンビアの18日より、さらに9日も多くなっています。


なぜこんなに多いかというと、カンボジアでは国王の誕生日などが、その前後の日まで休みになるからです。


例えば、5月14日がシハモニ国王の誕生日なのですが、13,14,15の3日間が国民の祝日です。また、日本の正月三が日がお休みなように、正月が3日休みなのがわかるのですが、お盆も3日、水祭りという祭りも3日休み。これだけでメキシコの年間祝日数を超えてしまいます。


さらに恐ろしいことに、カンボジアには正月が3回あります。

1月1日だけが休みのインターナショナルニューイヤー、3日間だけが休みの4月にあるクメールニューイヤー、1月から2月にあるチャイニーズニューイヤーの3回です。


そして、カレンダー上はクメールニューイヤーは休みは3日、チャイニーズニューイヤーは休みではないのですが、実際は、どちらも1週間休む場合が多いです。

上記のお盆もまたしかり。


この辺を勘案したある会社の祝日リストをみると、年間祝日数は34日もありました。


「うちの会社は有給休暇を年18日与えていて、全員が全部消化します。

なので、年間で土日以外の休みが2ヶ月近くある感じなんですよ………。」

労働者にとってスーパーホワイト国家、カンボジア。


まあ、さすがにこれだと業務が回らないので、週によって土曜日を半日出勤にして対応する会社が多いですが。(法律的には、週休1日でOKなのです)

そんなカンボジアに「正月料理」的なものはあるのでしょうか。

近所のカンボジア人のおばちゃんに聞いてみると「特にないわね。」という素っ気ない返事。

「でも、正月に、カレーを作るわね」



という、まさかの「おせちもいいけど、カレーもね」発言が飛び出しました。


特に由来は分からないのですが、何となく正月にカレーを作るというのは、カンボジア全体であるそうで、家でおばちゃんがカレーを作っています。


カレーと言っても、日本風のカレーとは全然違う、ココナッツミルクで野菜を煮込んだ「クメールカレー」なんですが。



「このカレーを、パンにつけたり、ヌンベンチョップ(うどん)にかけたりして食べると美味しいのよ。

ベトナム風。パンにつけて食べます


お米の国の人なのに、正月に食べる食べ物はパンとうどん!


「まあ、別に何食べてもいいんだけどね」


日本は、12月25日が終わった瞬間にクリスマスの飾り付けが正月の飾り付けに変わります。クリスマスにはチキンやケーキ、正月には雑煮やおせちといったように、季節の変わり目の行事に異常なまでのこだわりを見せます。


しかし、このカンボジアは、正月だろうと中華正月だろうとクメール正月だろうと、季節は夏。長い休みもたくさんあるので、あまり特別感がありません。

1月に入って1週間くらいたつのですが、街には平気でクリスマスの飾り付けが残っています。(下手すると3月くらいまで残っています)


それ故に、正月料理に関してもあまりこだわりがなく、いつもと変わらずゆるふわの毎日が続いているのです。


そんなのんきなカンボジアから、いろいろな食事情を発信していきますので、今年もよろしくお願いします。



(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」(http://samuraicurry.com)を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

第24回:「意外にエコ?フィリピン驚きの皿洗い事情」

第25回:「ウニは貧乏人の食べ物!? 世界じゃこれは、ゲテモノ料理!?」

第26回:「中華料理屋は世界のオアシスである。異論は認める」

第27回:「出張、サムライカレー!カンボジアのカレーを日本人に受けるようにカスタマイズしてみた!」

第28回:「カンボジアのカレーは福岡のサッカースタジアムで売れなかった! 顧客志向の大切さを改めて考える」

第29回:参入障壁の低さは過当競争を招く 激烈!カンボジアレストラン事情

第30回:東南アジアで食器を消毒する方法

第31回:あなたの訪れたインド料理屋の店員もネパール人かも

第32回:極私的 一番刺激的で、一番不味かった国、キューバ。

第33回:アジアの空港ラウンジに見る、「おもてなし」事情

第34回:ベトナム人に有名な日本人「ドレーモン」

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