RSS

世界の食を訪ねて

ベトナム人に有名な日本人「ドレーモン」

その青と白の顔はケーキにも豆腐にも……。

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第34回]


ベトナム・ホーチミンシティは、2014年頃からどんどん街が明るくなっていき、お洒落なお店がたくさんできています。

私もだいたい1年に1度くらいは訪れるのですが、来る度に街のキラキラ度合いがあがっています。


2016年の12月。クリスマスのシーズンが始まる頃に街を歩いていると、ファミリーマートにこんなものをみつけました。



ドラえもんケーキ。これは、ケーキの現物を撮影した写真をあしらったパッケージです。食べ物に水色というのは、日本人の食品に関する色彩感覚からはあまり好まれないものですが、東南アジアではこれくらいは常識です。


派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情


それよりも、ドラえもんが、このようなクリスマスの目玉商品になっているということが驚きです。

ベトナムで、ドラえもんは人気があるのでしょうか? ベトナム人に聞いてみました。


「ドレーモン、人気ですよ! ベトナム人の子たち、みんな知ってます。子供の頃から漫画とかアニメとかで見ています」


ドラえもんは、『ドレモーン』 (DoRaEmon) という名前で1992年末から漫画が出版されています。今では、本屋やコンビニで普通にドラえもんの漫画が売っています。



そして、「ベトナム人に聞いた、知っている日本人」という調査では、ドラえもんが6位に入っています(ドラえもんは人ではないと思いますが)。



知っているドラマでも第2位(ドラマでもないと思いますが)。


日本語を学ぶベトナム人への調査では、好きな日本の有名人・芸能人の中に、ドラえもんの作者「藤子不二雄」がランクインしています。


ドラゴンボールもワンピースもランキングに入っていない中で「ドラえもん」。

その姿は、街のあちこちで目にします。

例えば、ベトナムのとあるテーマパークには、このような生物がうろうろしていたりします。


著作権という概念が希薄な東南アジアでは、日常茶飯事の出来事です。しかし、ドラえもんは原則指がないので、きっとただの水色のなにかなのでしょう。


そんなものとは別の、ホンモノのドラえもんもいます。



このようなドラえもんティッシュ&ティッシュケースもトイレタリーコーナーで幅を利かせています。


「ドラえもん、かわいいです。小さい子供が大好きです。

本もそんなに高くないので、私も子供の頃買ってもらいました」

この単行本が1冊100円程度。

元々はタイで発行された『ドラえもん』を訳して作られた海賊版が流通していたのですが、1995年に著作権使用料をベトナムの奨学金の基金に充当することで作者の藤子・F・不二雄さんや小学館と合意したそうです。





「みんな、ドラえもんは日本の漫画だと知っています。

日本は、すごい電化製品とかを作っている国で、いろんな道具を出してくれるドラえもんみたいな印象があります。

だから、ドラえもんが好きな人は、日本が好きな人が多いです」

そんなドラえもん人気にあやかって、こんな商品も売っていました。


ドラえもん豆腐。

このドラえもん豆腐は、ホーチミンシティにあるイオンでも売られており、日本の豆腐をベトナムに広めるべく、一番「日本っぽい」ドラえもんをイメージキャラクターにしているようです。

こうやって、誰でも知っているキャラクターがあり、そのキャラクターの人気が日本への好感度につながっているのは非常に素晴らしいです。

これが、日本の食文化を伝え、ビジネスをしていく上で役にたっているところをみると「日本に生まれたということのメリット」を強く感じます。そして、そのメリットを享受しながら、さらにそのブランド力を積み上げていくことが、海外で「日本」を使って商売をしている我々のやるべきことなのです。


写真協力 ベトナム生活・観光情報ナビ

https://vietnam-navi.info/




(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」(http://samuraicurry.com)を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

第24回:「意外にエコ?フィリピン驚きの皿洗い事情」

第25回:「ウニは貧乏人の食べ物!? 世界じゃこれは、ゲテモノ料理!?」

第26回:「中華料理屋は世界のオアシスである。異論は認める」

第27回:「出張、サムライカレー!カンボジアのカレーを日本人に受けるようにカスタマイズしてみた!」

第28回:「カンボジアのカレーは福岡のサッカースタジアムで売れなかった! 顧客志向の大切さを改めて考える」

第29回:参入障壁の低さは過当競争を招く 激烈!カンボジアレストラン事情

第30回:東南アジアで食器を消毒する方法

第31回:あなたの訪れたインド料理屋の店員もネパール人かも

第32回:極私的 一番刺激的で、一番不味かった国、キューバ。

第33回:アジアの空港ラウンジに見る、「おもてなし」事情

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示