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世界の食を訪ねて

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アジアの空港ラウンジに見る、「おもてなし」事情

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第33回]



私はカンボジアと日本に家を持ち、日本法人とカンボジア法人の社長をしているため、この2カ国を往復して仕事をしています。

しかし「スパイスアップ・グループ」というグループ企業の一員でもあり、ここではアジア6カ国で企業や学生向けの研修プログラムをおこなっています。そのため、カンボジア、日本以外の国にもそれなりの頻度で移動します。


そして今、私は、ホーチミン発、北京経由、羽田行きの飛行機に乗って東京を目指している途中。北京空港のラウンジでこの原稿を書いています。



こんなことを書くと、国際派ビジネスマン(しかも社長)は、すげえ……と思われがちですが、そんなたいしたものではありません。


たとえば、空港のラウンジというと、ビジネスクラスに搭乗したり、航空会社のプラチナ会員になったりしていないと使えないのでは、と思われがちですが、実はクレジットカードのゴールド会員になれば、そのクレジット会社と契約している世界各国の空港ラウンジに入れるようになります。ゴールド会員の会費はたいてい、年に1万円程度で、月額にすれば1000円以下。自転車の駐輪場よりも安いです。


クレジットカードで利用できるラウンジにだいたい用意されているのは、食事、飲み物(含アルコール)、無線LAN、電源、ソファ。航空会社のラウンジほどゴージャスではありませんが、場所によってはシャワーを浴びることもできるので、本当に便利です。


これらの空港ラウンジの食べ物事情を見てみましょう。



まずは、北京。



ここは、レベルがそれなりに高いです。



シュウマイ! 餃子!







といった点心から、牛肉麺やジャージャー麺といった麺類、








コーンポタージュやケーキなどもありますし、なんと、寿司まで!




これらが食べ放題なので、非常に助かります。

機内食をまったく食べなくてもだいじょうぶなぐらいのレベルです。


世界中の人が集まる中国の首都にふさわしく、世界に名だたる中華料理で外国人ビジネスパーソンを「おもてなし」してくれるのです。


これに対し、我らがカンボジアの首都・プノンペンの空港はどうでしょう?

アジア諸国の中でも、経済的にはまだまだ後発国のイメージがあるカンボジア。しかし、2015年にとんでもないラウンジができました。



旅慣れたビジネスパーソンが、みんな驚く最新鋭の空港ラウンジ。

おしゃれな雰囲気、速い無線LAN、十二分に用意された電源、開放感がある席から半個室の席までよりどりみどり、シャワーも快適です。



食事も充実しており、このソバは非常に美味しい。



国全体はまだまだ発展途上でも、まずはその入り口を先進国に負けないものにしよう、という気合いが感じられます。




スターバックスコーヒーのカンボジア1号店も空港の中にあります。



カンボジア人の所得は低いので、おカネを落としてくれる外国人が一番多く訪れる場所につくろうという理屈だとは思いますが、2015年以前の掘っ立て小屋のようなボロイ空港ターミナルと、キラキラしたスターバックスがある新空港ターミナルでは、降り立ったときの感覚が大きくかわります。


ちなみに、空港からのタクシーも、定価が高いですがぼったくりはほとんどなく、安心して市内まで乗ることができます。


このように、多くのビジネスパーソンが最初と最後に訪れる空港は、その国のイメージに大きな影響を与えます。

そこを全力でいいところにしようとしている、我らがカンボジア。


ぜひ一度訪れて、みなさんの頭の中にあるカンボジアとのギャップを楽しんで頂けたらと思います。




(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」(http://samuraicurry.com)を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

第24回:「意外にエコ?フィリピン驚きの皿洗い事情」

第25回:「ウニは貧乏人の食べ物!? 世界じゃこれは、ゲテモノ料理!?」

第26回:「中華料理屋は世界のオアシスである。異論は認める」

第27回:「出張、サムライカレー!カンボジアのカレーを日本人に受けるようにカスタマイズしてみた!」

第28回:「カンボジアのカレーは福岡のサッカースタジアムで売れなかった! 顧客志向の大切さを改めて考える」

第29回:参入障壁の低さは過当競争を招く 激烈!カンボジアレストラン事情

第30回:東南アジアで食器を消毒する方法

第31回:あなたの訪れたインド料理屋の店員もネパール人かも

第32回:極私的 一番刺激的で、一番不味かった国、キューバ。

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