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世界の食を訪ねて

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ウニは貧乏人の食べ物!?「世界じゃこれは、ゲテモノ料理!?」

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第25回]


日本料理がいくらでも食べられるカンボジア・プノンペン在住の私ですが、日本に帰ったら必ず食べたくなるものがあります。それが、ウニ。



←このウニ・カニ・イクラ丼などは、海外でも食べられないことはないのですが、日本と比べて極端に値段が高かったり、おいしくなかったりして、日本で食べるほうがずっとコストパフォーマンスがいいのです。


なぜウニは、日本の方が安くおいしいものが食べられるか?

それは、グロいからです。


これは、私がスキューバダイビング中に撮影したウニです。↓



「誰がこんなもの食べようと思うんですか!?」

カンボジア人スタッフにこの写真を見せたところ、罵詈雑言を浴びせられました。さらに、殻を剥いで黄色いゲル状のものを出している写真を見せると、

「日本人は頭がおかしい」。

確かにその通り、な気がします。


「君たちも、虫を食べるではないか」

と反論するものの、

「虫はおいしい」

と、すげなく却下されます。


ちなみに、イオンモールプノンペンでは、コオロギ的な何かと、幼虫的な何かの佃煮が売っています。結構おいしい。



このように、日本とカンボジアの食文化には海より深い溝があるわけですが、ウニを食べる国は日本以外にもあります。


スペイン、イタリア、フランス、ギリシャなどのヨーロッパの地中海側の国では高級海鮮素材としてレストランで出てきましたし、イギリスや北欧の国々でも食べられているそうです。


そして、私が2013年まで住んでいた、フィリピンでもウニは売っていました。


フィリピン人にウニの話をすると、カンボジア人と同じように

「テリブル」「アンビリーバブル」「ポイズン」

と、さんざんな反応が返ってくるのですが、

「なんか、海辺の貧乏な漁師が食べるって聞いたことがある」

と、いう意見も出てきました。


市内のスーパーでみかけたことはないのですが、海辺の市場に行くとたまに売っていることがあるそうです。

というわけで、知り合いが入手してくれました。フィリピンウニ。



何の変哲もない瓶に、雑に入れて売っています。

かなりいっぱい入っているのですが、お値段100ペソ(約210円)くらい。

日本だと1500~2000円はするはずです。


実際、このウニは日本と同じ味がして実においしいのですが、フィリピン人は一切手を付けません。多くの日本人が、幼虫の佃煮に手を出さないように。


ちなみに、南米チリの首都サンティアゴの市場でも、ウニが売っていて、こんな風に皿に山盛りに出されてスプーンですくって食べるようになっています。



日本人がたくさん注文するため「UNI」と日本語で表記されていて、市場のおっちゃんも日本人をみると「ウニ! ウニ!」と言って勧誘してきます。


ウニ好きとしてはたまらないスタイルなのですが、ウニって実に油っこい味で、これだけの量を食べようとすると、途中でイヤになってくるのは内緒です。


以前の記事で、カンボジアではイカは食べられるけど、タコはあまり食べられないという話をしました。



国によって、ウニはだめだけど幼虫はOKだったり、のりは海の黒い雑草だけどわかめはOKだったりと、食文化というのは多種多様です。


冷静に考えると、アワビやエビも結構グロいですよね。



カンボジア人に、「日本人はホント、いろんなもの食べるよね」

と、あきれ顔で言われますが、それは日本の食文化の豊かさの証明だという褒め言葉だと捉えるようにしております。



(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」(http://samuraicurry.com)を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

第25回:「意外にエコ?フィリピン驚きの皿洗い事情」

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