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意外にエコ? フィリピン驚きの皿洗い事情

もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう!』[第24回]

エコなポリ袋一体型おわんです。


フランスでは、環境に対する意識の高まりから、プラスチック製の容器が2020年1月から禁止されるそうです。


2016年7月からは、プラスチック製のレジ袋の仕様が禁止されていますが、20年からはコップや皿、フォークなどに関してもバイオ分解できないものは使用できなくなります。



そんなフランスとは全く関係なく、東南アジアでは今日もプラスチック容器、ポリ袋がそこかしこで使われています。

意外にコストがかかります


このようなプラスチック容器は、簡単に手に入るため、サムライカレーでも主に持ち帰り用として使っています。ただ、意外とコストが高いため、余り積極的に使いたくなかったりもします。


このコスト問題は、40円で仕入れたコーラに氷を入れて50円で売るような商売をしている屋台ではより顕著です。そんな彼らが考えた策が、「ドリンクをポリ袋に入れて売る」方法です。



日本では、あまり見かけないスタイルですが、東南アジアだと比較的日常的に目にします。特に、バイクで移動する人が多いので、このようにポリ袋に入れたものをハンドルにつるして、信号待ちで止まったときに飲む人なんかがたくさんいます。


使いやすい、コストも安い、環境負荷も(プラスチックカップに比べれば)低いということで、なかなか優れた売り方です。


フィリピンでは、このポリ袋をさらに大胆に使っている屋台があります。

その使い方が、これ。



一見、普通にテーブルの上でスープやご飯お皿に入れて食べているようだと思います。

しかし、そのお皿をよく見てみましょう。

エコなポリ袋一体型おわんです。


そう。お皿がポリ袋の中に入っており、ポリ袋の上からスープやご飯をよそっているのです。


かなり大胆な使い方ですが、お客さんは普通にご飯を食べています。

まあ、新品のポリ袋の上からご飯を入れているので、衛生面は大丈夫な気がします。しかし、普通にお皿に入れた方がコストもかからないしいい気がするのですが……。

お店の人に聞いてみました。


「ああ、この方が洗うの、楽だろ」

そう言うと彼は、ポリ袋を皿から剥いで、残飯ごとゴミ箱にポイ。


手際よく次のポリ袋をかぶせて、スープとご飯をお皿に入れます。


この間、30秒。


「うちは、屋台だから、食器を洗うところがないんだよ。一応、そこに水はためてあって、箸やスプーンは洗ってるけどね」



欧州に比べ、エコロジーの概念がさほど根付いていない東南アジアでは、ある意味、効率的なこんなことが日常的に行われています。ただ、この「皿をポリ袋」は、フィリピン以外の国ではあまり見ません。カンボジア人に聞いてみたところ「なんか気持ち悪い」と、日本人と同じような反応でした。


ちなみに、カンボジアの屋台では、持ち帰りの品は紙の袋か、発泡スチロールのお皿に盛られます。


街では、ときどき、こんな風に、ばかげた量のお皿を運ぶバイクを目にしますよ。



取材・写真協力 主原弘道


(次号に続く)



【筆者紹介】


森山たつを


早稲田大学理工学部、日本オラクル、日産自動車、ビジネスクラスで世界一周旅行などを経て、日本人が海外で働く方法を研究する「海外就職研究家」となる。


海外就職に関する書籍、記事などを執筆する傍ら、日本人が苦手としている「外国人とのコミュニケーション」「失敗前提でのチャレンジ」「リアルなビジネス」を体験する研修プログラム「サムライカレープロジェクト」(http://samuraicurry.com)を運営。カンボジア・プノンペンにあるカレー屋を使っての研修プログラムは、既に120人以上の卒業生を輩出している。


主な著書に「セカ就!世界で就職するという選択肢」(朝日出版)、「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(東洋経済新報社)などがある。


連載:もりぞおの『サムライカレー、世界を喰らう』

第1回:カンボジアでカレー屋を作ったら、カンボジア人がカレーが嫌いだということがわかりました

第2回:カンボジア人に「カレーを美味しくしてくれ」と頼んだら、彼女は練乳に手を伸ばした

第3回:カンボジア人が好きなカレーを作るために、カンボジア人の家に突入してみた

第4回:「当店の『たこやき』はイカを使用しております」―カンボジア水産事情

第5回:飲食店泣かせのカンボジア、物価は安いが、原価は高い」

第6回:1日10時間野外労働、時給は115円――カンボジアの屋台店主は生活できるのか?

第7回:アクエリアスは炭酸入り、スプライトは3倍甘い。そして、サムライドリンク!――カンボジア飲料事情

第8回:カンボジア人にモチは売れるのか?スイーツ突撃実態調査!

第9回:シーフードヌードルは、フィリピン人のおふくろの味?

第10回:マニュアル人間は希少人材!?創意工夫が店を滅ぼす!

第11回:世界最大のラーメンチェーン店は、熊本発のとんこつラーメンです

第12回:プノンペンのイオンモールで大人気なのは、回転しゃぶしゃぶ屋です

第13回:アジアの新興都市プノンペンで繰り広げられるチキンレース

第14回:インド人はナンを食べない!?―インドカレー事情

第15回:「草食系」の南インドではカレーも葉っぱにのってくる

第16回:「ファストフードが1時間半待ち!北京オリンピック会場食料事情」

第17回:ブラジルのファーストフード「YAKISOBA」は日系移民の歴史の足跡

第18回:「派手なのがお好き? カラフル過ぎるカンボジア色彩事情」

第19回:「カンボジアでマーケティング調査!プノンペンでわたあめは売れるのか?」

第20回:「カンボジアでわたあめ100本売る方法―モノを売るな、体験を売れ!」

第21回:「50円はOKでも75円はNG? プノンペンから揚げマーケティング講座」

第22回:「ご飯の国の人だから。おにぎりを買ってくれないカンボジア人」

第23回:「500円の食事は月に1度のごちそう!カンボジアの「ランチ相場」

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