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アトピーと生きる

エネルギーの源は「決して悩まないこと」

パッチ・アダムス インタビュー




笑いを医療に採り入れ、世界の病院や難民キャンプなどを道化師として訪ねているパッチ・アダムス。彼の半生は1998年にロビン・ウィリアムズ主演で映画化されている。アトピーの原因の一つとされるストレスとの付き合い方を考えたくて、彼に話を聞いた。(聞き手・国際報道部記者 石原孝)



パッチ・アダムス


――現代社会でストレスや不安から逃れるのは簡単ではないと思うのですが?

そんなことはない。誰だって、今日にでも、「悩むことはもうないんだ」と思うことはできる。私は18歳の時に、悪い日はもうこないと決めた。だから、この54年間は悪い日はなかったし、心の問題もない。今後起きるとも思っていない。


――ユーモアや笑いのある人生を望む人は多いですが、実際には難しい面もあります。

自分自身で難しくしている。人は苦しみや不安が好きなんだ。隣の人より自分の方がひどいと考えようとする。悩みがなく、人生がいかに自由か想像することはできるはずだ。


――あなたのような考え方は少数派だと言われるかもしれませんよ。

私は幸せだ。自尊心がある人は少ないし、私の予想では数%くらいだろう。大多数は自分のことが好きじゃないということだ。私は自分のことが好きだし、素晴らしい少数派の人生を愛しているよ。


――自分のことを誇りに思っていますか?

自分のことが好きなら、誇りについて考えることはない。


――今の夢は何ですか?

世界中の誰もが「戦争」という言葉の意味を知らない世界になること。辞書を引かないといけなくなるくらいに。



写真撮影をすると伝えると、パッチ・アダムスは小道具を口にはめ、陽気にしゃべりはじめた。


――あなたのエネルギーの源は? 

一番はおそらく、決して悩まないことだ。毎日、私はとても幸せで、愉快で、愛情があり、協力的で、思いやりのある54年間を18歳からは過ごしてきた。自分の肩にのしかかるものは何もないし、心配事もない。


――10代の頃はいじめられ、自殺未遂もしたということですが。

私が16歳の時に父が亡くなり、米国南部に戻ると人種差別があった。高校生の時の最後の2年は、ほぼ毎日たたかれていた。同級生たちが差別用語を使っていることに黙っていられなかった。3度目の入院の前に、公民権運動リーダーのマーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説「I have a dream(私には夢がある)」に影響を受けた。自分自身を傷つけるのではなく、革命を起こそうと思った。


――アトピーについて、どう思いますか?

アトピーは、人の心とつながっていると言われている。日本には心を穏やかにしてくれるものがたくさんある。茶会や武道、自然、芸術、文学などだ。


――私にもアトピーがあります。

(このインタビュー中に)一度もかいているところを見ていない。もしあなたがアトピーを見せながら出歩き、幸せそうにしていたら、不幸だと思っている他のアトピー患者のためになるだろう。




Patch Adams

1945年生まれ。医師。高校時代のいじめで自殺未遂や入退院を繰り返した。患者らとの出会いから、ユーモアや笑い、愛情が心を癒やすことを知り、医師を目指した。

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