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自閉症を旅する

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3月特集「自閉症を旅する」に読者から反響続々

サンフランシスコ南部にあるソフトウェア大手SAPで働いているアスペルガー症候群の男性社員(左)  /太田康夫撮影




3月5日のGLOBEで掲載した「自閉症を旅する」には、たいへん多くの反響が寄せられました。お便りを下さった方々にメールや電話でお聴きした話も合わせ、その一部をご紹介します。(大阪本社地域報道部・太田康夫)




東京都在住の自閉スペクトラム症の30代男性は、「他の国で前向きに生きている自閉症の人たちについて知ることができてよかった」という。ダニエル・タメットさんについて「自分の得意なことをきちんと自覚して、頑張って成功しており、励みになった」。ギターの演奏活動をしている高橋紗都さんの話は「前向きになれた」という。

英国自閉症協会関係者の「障害者となるかならないかは、適切な支援があるかどうかによる」という言葉に同感だと強調する。男性は現在、グループホームで暮らし、民間企業の特例子会社で働いている。


18歳の次男が知的障害のある自閉スペクトラム症だという大阪府松原市の男性会社員(55)父親からもメールが寄せられた。


次男は、地域の小学校と中学校で学び、今春、専修学校を卒業。4月から、自立訓練のための学校に通うという。

「不安はたくさん、たくさんあります。でも、彼の長所――記憶がよいこと、時にすてきな言葉を話すこと(たとえば、出張に行く私に『東京はお仕事の宝島だね』と話すなど)、愛されキャラであること-―を生かして、人生を歩んで行ってほしい」という。


これまで小中学校の教員など様々な人たちに支えられたといい、幼少時に自閉症の相談をした医師から「人は必ず成長する」と励まされた言葉がずっと心の支えになっているという。


カナダで暮らす双子の男児の孫(6歳、小学校1年生)が重い自閉症だという、栃木県さくら市の主婦、丸山百合子さん(71)は、「異国で二人の障害児を持つ私の長女(36)は、必死で情報を集め、二人の将来を模索しています」。長男は全く言葉を発せず、学校から帰宅すると裸になり、衣類を物陰にいれ、靴を便器に隠す。食べ物は限られている。次男も2、3の単語を口にするだけだという。二人の孫の療育費が高く、長女はどうお金を工面するか試行錯誤しているという。


周囲に特性を理解してもらえたら


学生からも様々な声が寄せられた。ショッピングセンターのBGMや大きな音、ドライヤーなどの音が苦手だという都内在住の大学生は、英国自閉症協会の動画「Can you make it to the end?」をみて、一般的にそうした音が苦手ではない人がいることを初めて知って驚いた、という。自閉症と診断されたことはないものの、聴覚が過敏だったり、大勢の人とのコミュニケーションがあまり得意ではなかったりする面があるという。


以前、家族に掃除機をかけるよう言われた際、防音のため耳栓をしたところ、家族に「掃除をしたくないというアピールか」と言われた。初めはその意味が分からなかったが、最近になって、家族は掃除機の音が嫌ではないために、自分の行動が正しく理解されなかったのかと思うようになった。


大学生は、「家族でもすれ違いがあるのだから、社会の中でもっと大きなすれ違いが起きるのは当然だと思う」と強調。一方で、「今回の記事で、健常者がバーチャルリアリティー(VR)で自閉症の世界の一部を体験できたり、自閉症の人がVRを使って環境に慣れるトレーニングをしたりすることが進めば、いずれ周囲に特性を理解してもらえ、自分自身も苦手なことを乗り越えられるようになるのではないかと感じた」と言う。


滋賀県彦根市の大学生、大菅彩乃さん(18)は、「記事に登場する自閉症の子どもを受け入れて、愛し、光を与える家族は本当にすてきだと思った」。ただ、現実的には、家族の愛情や支えを受けられない子どももいるのではないか、と指摘する。「もし、将来生まれてくる自分の子どもに障害があったとしても、それを受け入れ、心から子どもを愛し、子どもも自分も幸せになりたい」という。


昨年生まれた次男がダウン症だという40代主婦は、「ダウン症も特集してほしい」。最近、ダウン症の子どもを持つ親の会に入り、子どもの成長のイメージが少しずつわいてきたものの、まだ不安も多いという。役場の福祉職員がダウン症の知識が少なく、歯がゆさを感じている。「日本や海外の様々な情報を知ることができたら、ダウン症の子どものいる家族の励みになる。ダウン症への理解を広めることにもつながり、ダウン症の人が生きやすい世の中に近づけると思う」と期待を寄せた。(おわり)


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