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着物に明日はあるか?

なぜ襟足を見せて着るのか?

「衣紋を抜く」理由

 





衣紋を抜いている場合

洋服とは異なる、着物の特徴のひとつが、着るときに「衣紋を抜く」ことだといえる。着物の後ろ襟を引き下げ、襟足を見せる着方だ。文化学園大学准教授の佐藤真理子(服装機能学)によると、こうした「抜き衣紋」は江戸時代中期に生まれた。この頃に登場した髪用のびん付け油で、着物の襟元が汚れることを防ぐために、衣紋を抜くようになったという。


この着方が、着る人の快適性にどんな影響を与えているのかを調べるため、佐藤は平均年齢22歳の女性5人で20分間の実験をした。最初の5分間は安静。その後5分間は、1分間に80回のリズムで踏み台昇降運動を行い、次の5分間は安静に。最後の5分間は扇子での送風を模して、扇風機の風に当たってもらった。


衣紋を抜いていない場合
写真提供:文化学園大学・佐藤真理子准教授

すると、衣紋を抜かない場合では衣服内の温度が胸部、背部ともに上昇傾向を示したのに対し、抜いた場合は徐々に下降傾向を示した。皮膚の温度も、多くの部位で抜いた方が低い傾向に。計測終了時には、皮膚の平均温度で約0・3度の差が出た。


「抜き衣紋は、より涼しい着付け方法だと言えると思う。着方によって快適さを変えられる自由度の高さが、着物のもつ面白さといえるでしょう」と佐藤は話す。



(文中敬称略)




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