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クラフトビールの醸造所を訪ねて・ドイツ編


ドイツでは、、「本場」バイエルン州のビール醸造所や博物館などを訪ねた。

(文と写真、鈴木暁子)


 

感動したのはバイエルン地域特産のヴァイツェンのおいしさだった。ただ、米国の影響を受けたクラフトビールもブームになってきている。日本人のドイツビール専門家によると、ドイツのクラフトビールは、ただ単に米国の影響をうけているのではなく、「たくさん飲める、おかわりしたくなる」ようなビールであるところに、ドイツらしさがあるという。ミュンヘンでは100種類以上もの世界のビールが飲めるCamba Bavaria Tap House が話題になるなど、ドイツの人のビールの好みがたしかに変化し始めていることがうかがえた。


Maisel Brauerei(バイロイト)

まるでワインのようにビールを飲むハラルド・リードル

ワーグナーにちなんだ音楽祭で知られるバイロイト市のマイゼル醸造所は、127年の歴史をもつ。併設するBrauerei und B?ttnerei-Museum (ビール醸造と樽の博物館)は、ビール関連の博物館としての展示資料の幅広さで、ギネス記録をもつ。5ユーロで入場すると、最後に500ミリリットルのビールを試飲させてもらえる。

小麦を使ったヴァイツェンビールで有名だ。試飲させてもらうと、驚くほど濃いバナナのようなフルーティーな香りがただよう。ドイツで飲んだビールの中で、一番感動したおいしさだった。別室で、ブランドマネジャーのハラルド・リードルが紹介してくれたのは、同社が3人の醸造家を起用して、新たに打ち出したワインボトル入りの3種類のビール「マイゼルアンドフレンズ」だ。米国で大流行している、ホップの風味を生かしたインディアン・ペール・エール(IPA)タイプのビールと、チョコレート風味のボック、バーバリアンエールがあり、それぞれ違った香りと味を楽しめる。リードルはグラスを回し、両手で包み込むように温めて、舌で転がすように味わった。「こうすると香りがたつんです」。新しいビールを発表することで、「私たちもビールの魅力を再発見した」と話す。このビールも醸造所内のショップで購入することができる。3種類のビールとグラスのセットで約21ユーロ。


Crew Republic(ミュンヘン)

米国出身で醸造担当のリッチー(左)と、ジャン

米国バージニア州出身のリチャード・ホッジスが醸造責任者をつとめる、2011年創業の新しい醸造所。"CRAFT BEER IS NOT A CRIME"を合言葉に活動している。ジャン・ハードリカは「ビール大国のドイツでは、海外のビアスタイルはあまり人気がないけれど、ビールはドイツの伝統的なピルスナーやヘレスだけじゃないとアピールしたいんだ」と話す。近く、ミュンヘン市内に醸造所をオープンする予定。現在はウェブサイトでの販売と、ミュンヘン市内にある美術館Haus Der Kunsut内にあるGolden Barなどで飲むことができる。こちらのバーではDrunken Sailor と名付けたアルコール度数6.4%のIndia Pale Ale (IPA) が5.5ユーロほど。日本でも今夏にKOBATSU(コバツ)トレーディングを通じて販売予定。


airbrau(ミュンヘン空港内)

ミュンヘン空港にある空港内醸造所でつくられたビールを、飛行機の待ち時間に楽しむことができる。ヴァイツェンは500ミリリットルで2.6ユーロ、1リットルで5.2ユーロ。記者が訪問した5月には、季節限定品としてMaydayと名付けたモルトの味が濃いヴァイツェンが販売されており、これがとてもおいしかった。食事もできる。姉妹空港の関係にある日本の中部国際空港では、時期限定で、ミュンヘン空港以外で唯一、エアブロイのビールが飲める。


Braueri im Eiswerk(ミュンヘン)

醸造家のターニャ・ライクシュベントナーが作るビール
醸造所の外観

ミュンヘンの大手ビールメーカー、Paulanar社がつくったクラフトビールの醸造所。かつて醸造家が住まいにしていた古い建物を試飲室とショップとして使い、ここでだけ商品を購入できる。

オレンジ風味のホップを使ったWeizenbock Mandarin はシャンパンボトル入りで、一びん15ユーロほど。


Drossenfelder Brauwerck(ノイドロッセンフェルト)

焼きソーセージとビールがおいしい
レストランの屋外席

1969年に廃業した醸造所を復活させ、町おこしをしようとしている地域。

訪問時は醸造所を建設中で、古い建物を改装したすてきなレストランでビールやソーセージを食べることができる。町おこしをしようとしている会社の出資者は、30%が地域住民、70%はインターネットでの出資募集に集まった外部の人で、米国人も。1株250ユーロで820人のシェアホルダーがいる。観光スポットとして期待されているといい、ここでもビールが再び注目されていることがわかる。


Hofbräuhaus(ミュンヘン)

ホフブロイハウスの外観
ホフブロイハウスの内部

ミュンヘンの街中にある有名な観光名所のホフブロイハウス。宮廷醸造所を意味し、創設は1589年と400年以上の歴史を持つ。いつも観光客で大にぎわいだ。

GLOBEでも、134号の「現場を歩く」「ミュンヘン、ヒトラーの『運動の首都』」(有料ページ)で、平田記者が訪ねている。

店内には地元の限られた常連のために、ジョッキをキープしておく鍵付きの倉庫もある。


Schlenkerla(バンベルク)

ビール醸造博物館の中の様子

「ラオホビール」を飲んでみたくて、ホーフ市での取材(「本家」も悩む、生き残りかけ「変身」も)から足を伸ばして訪れた。ラオホビールは、木のチップでいぶしてスモーキーな香りをつけたモルトを使ったビールのことで、ドイツでは「飲むベーコン」と呼ぶ人もいるぐらいだ。日本のビールでは味わったことのない、独特のスモーキーな風味がとってもおいしい。Gast- und Brauhaus Zum Ringlein という醸造所でも、別の種類のラオホビールを飲んだ。バンベルクは、運河が流れる古い町で、その美しさから小ベニスとも呼ばれる。Franconian Brewery-Museum というビール醸造博物館もある。




(文中敬称略)

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