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クラフトビールの醸造所を訪ねて・アメリカ編


今回の取材地、米国とドイツでは、ビールを飲みに醸造所を訪ね歩いた。つくられているビールの味も、種類も、店や商品のデザインもさまざまで、また飲みに行きたいと思うお気に入りの店もできた。まずは、米国のワシントン州、オレゴン州、コロラド州の醸造所から。

(文と写真・鈴木暁子)


  

コロラド州ボールダーの酒屋のクラフトビール売り場

米国では、醸造所にいくと、それぞれのビールのIBU(Bitter Unit 苦さの指数) 、OG(Original Gravity 発酵前の麦汁に含まれる糖の量の比重=ビールの強さ)、ABV(Alcohol By Volumeアルコール度数)、Malt & Hop Varieties(麦芽とホップの種類)などが、看板や紙にかかれていることが多い。ごく普通の人たちが、こうしたさまざまな指標まで気にして、ビールを選ぶところまでいっていることに、まず驚いた。日本もいずれこうなるのだろうか?



Elysian Brewing Company(ワシントン州シアトル)

ディック・カントウェル

作家でもあるディック・カントウェルが96年に立ち上げた醸造所。いま5カ所にビアレストランを持つ成功した経営者でもある。今回訪ねた米国ブルワリーの中では、最も気に入った醸造所の一つ。シアトルらしいコーヒーを使ったSplit Shot Espresso Milk Stoutや、Spiced Pear Aleなど。桜の木をいぶしてつくるスモークビールも造りたいと話し、新しい味わいに貪欲にいまもチャレンジしている。ワシントン州のガマシュ農園が栽培した、北海道生まれのホップ、ソラチエースを使ってビールを作り、出身地以外で活躍したことにちなんで"Konishiki"と名付けて販売してこともあるという。ビールのネーミングやデザインがとてもユニークでかっこいい。



The Pike Brewing Co(ワシントン州シアトル)

シアトルの観光名所Pike Place Marketからほど近い場所にある。広々とした店内にはTシャツなどのお土産品も。 11ドルのThe Pike Sampler は、小さなグラスで6種類のビールを試すことができる。それぞれのビールに使っているホップやモルト、苦みや色、由来などを細かく書いた説明用紙を店内でもらえる。


Bridgeport Brewing(オレゴン州ポートランド)

全米を席巻したインディアン・ペール・エール(IPA)の原型を、最初につくった醸造所ともいわれる。



Burnside Brewing company(オレゴン州ポートランド)

Oatmeal Pale Aleなどのビールはすべて、20オンス(約590ミリリットル)が5ドルというわかりやすい価格設定。牛テールをカラードグリーン(アフリカキャベツ)で葉巻のような形に包んだCohiba Cigar(5ドル)など、ユニークでおいしい食事メニューもある。


Great Divide Brewing Company(コロラド州デンバー)

Great Divide Brewing Company の外観
Great Divide Brewing Companyの店の中の様子

デンバーの街中にあるおしゃれな雰囲気の醸造所。今年で創業20周年。Brewery Tourも実施している。Chocolate Oak Aged Yeti(4ドル)など、ビールのコンペティションで多数の受賞歴を誇る。



The Blue Moon Brewing Co. at the Sandlot(コロラド州デンバー)

サンドロット醸造所でビールづくりを担当するBill Hasse(右)
サンドロット醸造所の外観にも野球のモチーフがある

メジャーリーグ(MLB)の野球チーム、デンバー・ロッキーズの本拠地である野球場クアーズ・フィールド内に構える醸造所。大手ビール会社クアーズの傘下で、ベルギー風白ビールのBlue Moonは日本でも販売されている。MLBの球場内の醸造所はここだけ。7ドルでBlue Moon のほかにもビールをそろえており、中でもスモークビールがおいしかった。Batters Eye Pale Ale やRight Field Redなど、ビールにも野球にちなんだ名前がついている。


Breckenridge Brewery(コロラド州デンバー)

入りやすい雰囲気の店内

クアーズ・フィールドの近くには数軒の「ブルー・パブ」(自家醸造しているパブ)がある。クアーズ・フィールドの斜め向かい、歩いて1分ぐらいのところにあるBreckenridge Breweryでも、数台設置されたテレビに様々なスポーツが中継されていた。広々とした店内は入りやすい雰囲気。たくさんの種類のクラフトビールがあり、店員が好みをきいてすすめてくれる。ボリュームのあるサラダなども食べられる。


Coors Brewery in Golden(コロラド州ゴールデン)

無料の試飲を楽しむ人たち
クアーズが手がけてきた様々なブランドのデザイン

ビール大手のクアーズの本社工場。単独のビール工場としては世界最大の規模を誇る。無料の工場見学を受け付けており、全米各地から観光客が集まる人気のツアースポットだ。記者が訪ねた日は、祝日前ということもあって、雨にもかかわらず300人ほどが行列を作って順番待ちをする状態だった。1時間半ほど外で待って、やっと順番が回ってくると、小型バスで醸造所内へ。内部では、実際にビールを醸造している様子がみられるほか、過去の広告ポスターの展示などがあり、無料で3杯まで同社製品を試飲できる。記者は、「禁酒法以前のレシピを再現した」と銘打ったBatch19という名前のビールを試した。クアーズのロゴ入りのシャツなどが買えるショップが楽しい。


Odell Brewing Company(コロラド州フォートコリンズ)

広々としたOdell Breweryの醸造所

デンバーから1時間半ほど離れた町の、道路沿いにある大きな店が目印。7種類のビールを試せるCo-Pilot Tray は8ドル。英国のビアジャーナリストが醸造したというTree Fort Tripel がおいしかった。サッカーの球場でも飲むことができる。


(文中敬称略)

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