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大学ってなんだ?

MOOCの申し子、米MITのバトゥーシグ

「本物のキャンパスはスゴイ」と興奮気味




いかに大学生活が楽しいかを熱弁するバトゥーシグ。MITに入学して3カ月が過ぎた/photo:Kanari Ryuichi

モンゴルにいながらにして、世界トップレベルの米マサチューセッツ工科大(MIT)が提供するムーク講座で満点を獲得して注目された、バトゥーシグ(17)。昨秋、MITに入学を果たし、大学の魅力を実感する日々を送っている。


「ムークもすごかったけれど、やっぱり大学は違う。あっちにも、こっちにも何十年も専門分野の研究を続けてきた教授がたくさんいる。会いたい人が多すぎて、毎日優先順位を付けるのが難しいくらいだよ」


半年前、モンゴルの首都ウランバートルの高校生だった。15~16歳の時にMITのムーク講座『電子回路』を受講し、担当教授を「モンゴルに天才がいる」と驚かせた。同じ講座には世界中から15万人以上の受講生が集まったが、満点を取れたのは340人。バトゥーシグもその1人だった。


バトゥーシグは、電子機器の仕組みをわかりやすく解説するMITの講義にすっかり魅了されたが、まさか16歳の自分が合格できるとは想像もしていなかった。ところが、モンゴル人のMIT卒業生らに熱心に受験を勧められたため、2012年末に願書を送ってみたところ、翌2013年3月に合格通知を受け取ったのだ。

渡米前、まだウランバートルにいた時のバトゥーシグは「MITでは理論物理学を学びたい」と取材に語っていたが、実際に入学してみると心境の変化が生じている様子だった。


「ここの授業はどれもがおもしろくて、今はとにかく視野を広げることにした。まだ進路を決めるには早いと思ったんだ」


ニヤニヤしながらこう言うと、バトゥーシグはリュックから取り出したノートパソコンの電源を入れた。パソコン画面に予定表を映し出し、こう続けた。


「本物の大学はすごい。この授業も、こっちの授業も楽しくて仕方ない。学生になった最大のメリットは、教授に何でも直接質問できることだよ。授業が終われば、僕は研究室にまで教授を追いかける。すると、授業中とは違う方法で説明してくれて、そっちの方がわかりやすい場合がある」


本当にうれしそうな顔をして話す。充実した生活を送っていることが伝わってくる。


でも、せっかくのキャンパスライフ。クラブ活動はしていないのかと尋ねると、こう答えた。


「もちろんいろんな体験を楽しんでいるよ。写真部に入った。カメラへの興味もあったけど、真の狙いは『ジャーナリスト証』なんだ。これを首からぶらさげるだけで、学内のどこにでも自由に行ける。教授会や論文発表会の会場にだって入れる。お目当ての教授を見つけて、話しかけるチャンスを探るんだ」


クラブ活動の話をしていたのに、気付くとまた教授の話に戻っていた。とにかく、インターネットでは味わえない魅力がキャンパスにあふれているは間違いなさそうだ。


(金成隆一)

(文中敬称略)

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