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世界は今日も踊っている!

セネガルのダンスの歴史/パムサに聞く






日本で人気のダンス・ボーカルユニット「EXILE」。そのメンバーの一人、USA(ウサ)が「世界最強」と驚いたのがセネガルのダンスだ。国立舞踊団のトップダンサー、パムサ(29)にセネガルのダンスの歴史を聞いた。(聞き手、宮崎勇作)




――西アフリカのダンスには太鼓が必須です。



photo:Miyazaki Yusaku

たとえばギニアでは木をくりぬいてつくった「ジェンベ」、セネガルでは木の臼に動物の皮を張った「サバール」と、各国で違った太鼓がある。


その太鼓が数え切れないほどたくさんのリズムを生み出す。セネガルでは、結婚式などの冠婚葬祭のリズム、料理のリズム、セネガル相撲のリズム、昔は開戦を知らせるリズムもあったし、中には夫婦げんかを仲裁するリズムもある。


こうした数々のリズムを、踊りとともに伝えてきたのは、「グリオ」と呼ばれる世襲の音楽家たちだ。昔は楽器を演奏することは、彼らしか許されていなかった。私の父はセネガル国立舞踊団結成時のダンサーだったが、父は近くに住んでいたグリオから踊りを習った。リズムや踊りは歴史を語り継いできた。




――現代ダンスと伝統的なダンスの違いはあるのか。


伝統的なダンスは、もともと農村で踊られていた。たとえば穀物を植えるときや、収穫祭、そしてその際に催される相撲が主なダンスの舞台だった。


グリオたちは踊り手の動きに合わせて、太鼓をたたく。踊り手を高揚させるのもグリオの役割だった。今、私が踊っているのは基本的にこの伝統的なダンスを元にした現代ダンスだ。


現代ダンスにも、ヒップホップのブレークダンスの影響があることは確かだ。もともとヒップホップは私たちと祖先を共有するアフリカ系のアメリカ人が作った文化。リズムを聴いても余り違和感がない。


昔、ダンスはプロの踊り手だけに限られていたが、今は一般の市民も楽しく踊っている。それはいいことだと思う。ただ若者たちが、セネガルの伝統的なリズムを深く知らないようになってきていることは心配だ。だから私はあえて、穀物の収穫や相撲のしぐさを振り付けに取り入れている。




パムサ    

   

1983年、ダカール生まれ。本名パップ・ムーサ・ソンコ。セネガル国立舞踊団のトップダンサーとして、世界中を回っている。国民的な歌手で現セネガルの観光余暇大臣のユッスー・ンドゥールのバックダンサーもつとめた。USAがセネガルに修業に来た際にはダンスの講師だった。日本にも弟子がいる。


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