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「牛」中沢要明


22年前のこと。長野県四賀村(現・松本市)の施設が開いた作品展で、ウサギの置物を購入した人から、作者の中沢要明(41)に礼状が届いた。「止まってしまっている私の中で、要明さんのうさぎは、小さいけれど確かな温かさとほほ笑みを届けてくれているのです」。「うさぎのお友達」という差出人は、自殺に失敗した、と打ち明けた。中沢は重い自閉症で会話は苦手だが、手がけた置物は傷ついた心に寄り添ったのだ。当時、私はこのウサギの話を記事にした。ウサギの生みの親は、どうしているだろう? 2月、松本市の作業施設に中沢を訪ねた。「生年月日は?」。再会するやいなや聞かれた。生年月日へのこだわりは昔と変わらない。日中は作業施設で作品を作っている。最近は、木工製品が多く、年数回、展覧会やバザーに出品しているという。


(文中敬称略)

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