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Memo02

人は古代から病んできた





古代ギリシャのヒポクラテス(紀元前5~同4世紀)は、人間の体には血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁の4種類の体液があると考えた。黒胆汁が多いと、恐怖と落胆が長く続く「憂うつ質(メランコリア)」になるとした。


『現代精神医学事典』(弘文堂)によると、19世紀後半には「神経衰弱」が欧米や日本で流行した。症状はめまいや不眠などで、名付け親の米国の内科医は「産業社会に特徴的な病気」と強調した。神経衰弱の概念はその後、オーストリアの精神科医フロイト(1856~1939年)による神経症(ドイツ語でノイローゼ)の研究につながる。


フロイトは、患者の幼児期の経験が神経症の根源にあると考え、対話を通じて患者の心の奥の無意識にあるものを引き出そうと試みる精神分析を発展させた。


日本でも古くから、落ち込んだ心理状態を表す「鬱」が知られた。慶応大准教授、北中淳子の著書『うつの医療人類学』によると、豊臣秀吉の側室、淀君が「気鬱の病」になって不食や頭痛に悩んだり、同じ時代の後陽成天皇が「鬱症」を病んで危篤に陥ったりした記録があるという。


(左古将規)

(文中敬称略)








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