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発達への影響、研究はこれから

 


 


スマホやタブレット端末は、子どもの脳の発達などにどう影響するのか。テレビについては「長時間見続けるのは良くない」とされるが、iPadの登場からまだ4年。研究は始まったばかりだ。


幼児向けIT教育プログラムを開発する「スマートエデュケーション」(東京)は今年度、首都圏の保育園や幼稚園3園で年間20~30回にわたるIT保育の実証実験を始めた。年長児に1人1台iPadを渡し、困っている人と助ける人を結ぶ知育アプリなどで遊んでもらう。東京大学大学院准教授の山内祐平(教育環境デザイン論)と共同で、子どもたちのチームワーク力や想像力がどう変化したかを調べる。


米PBSは2010年、3~7歳の90人を対象に、言語能力を育てるアプリで2週間遊んだら語彙(ごい)力が最大31%上がったとする結果を発表した。一方、米ノースウエスタン大などは今年、3歳以下の子ども約60人を対象とした研究で、タブレット端末で遊んでいる子と遊んでいない子の間で、認知や言語能力の発達に差はないと発表した。本格的に影響を調べるには、10年以上の追跡期間が必要とされる。


米国小児科学会は11年、「言葉の遅れと睡眠障害につながる可能性があるため、2歳以下の子どもは電子メディアに接するべきではない」と勧告した。日本小児科医会も13年、むずかる赤ちゃんを子育てアプリであやすのは、発達をゆがめる可能性があるとして「スマホに子守をさせないで!」との啓発活動を始めた。


かつてテレビでも同じような議論があった。最近でも日本小児科学会は04年、「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険」とする緊急提言を出した。生後18カ月の時点で、言葉の遅れと関係があるとの調査結果がでたためだ。米国小児科学会の勧告の「電子メディア」はテレビも含み、すでに1999年に2歳以下に見せないようにとの方針が出された。


しかし、この勧告にかかわったシアトル子ども研究所教授のディミトリ・クリスタキスは今春、「iPadのような双方向メディアを使わせていい」とする意見を米医師会誌に載せた。「テレビやDVDのように受け身ではなく、積み木遊びなどと同じように反応を楽しむことができ、親も一緒に遊べる」と利点を説明する。ただ「一日30分から1時間程度にとどめた方がいい」という。


米カリフォルニア工科大教授の下條信輔(知覚心理学)は「度を超せば問題だが、明らかな害はほとんど報告されていない。大人は自分が知らないものには不安を感じる。神経質にならず見守って欲しい」と指摘する。


(岡崎明子)

(文中敬称略)





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