RSS

Memo03

キリンやクマを殺処分?





欧州の動物園が健康なキリンやクマを殺処分したニュースが世界を駆けめぐった。


デンマークのコペンハーゲン動物園は2月初め、園で生まれたキリン「マリウス」を銃殺した。同じ種が園内で増え、「将来の近親交配を避けるため」だった。しかも殺したキリンは、子どもを含む入園者や報道陣の前で解体、その肉をライオンにエサとして与えた。


世界から非難が殺到した。他の動物園や米国の富豪から寄せられた「引き取りたい」との申し出は蹴っていた。欧州動物園水族館協会のメンバーでない園について「飼育環境も不十分」として、譲渡しなかった。こうした手順は、協会のルールに従ったという。公開解剖は「教育のため。他の動物も公開解剖している」。


「動物も人も当然の結果として、死があると言わなければ、我々の仕事は動物保護ではなく空想世界のものとなる」。同園の科学ディレクター、ベンクト・ホルストはいう。


スイスの首都ベルンの動物園では4月、生後11週の子グマが殺処分された。父グマが、きょうだいの子グマをかみ殺し、母グマが育児放棄したのが理由だ。動物保護団体などは「人工保育にすればよかった」と批判したが、園は「人間が育てれば社会性をなくし、孤立してよくない」と反論。6月、子グマの死体を剥製(はくせい)にする作業を始めた。「自然は時に残酷。子どもたちに示したい」と、園の教育担当者は地元紙に答えている。


こうした決断に、動物園関係者の間では「公開するかどうかは別として、繁殖のあり方を考えれば理解できる」との声が多い。だが、園の繁殖計画に合わないからといって、あるいは自然界の掟(おきて)にならったからといって、動物の命を奪うことは許されるのか、論議が続いている。


(藤えりか)

(文中敬称略)






この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示