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2017年8月号特集 「太平洋波高し」


昨秋まで2年間、ハワイで暮らしました。大西洋、インド洋とともに3つの大洋のひとつで、地球の海の半分近くを占めている太平洋。その真ん中に位置するハワイは州都のあるオアフ島をはじめ、マウイ島やハワイ島など主要8島に加え、100以上の小さな島々から成り立っています。


多種多様な人種が入り交じるアメリカのなかでも、ハワイはとくに「人種のるつぼ」。日系人や中国、フィリピン、韓国からの移民などアジア系の比率が高く、さらに、3つの地域(ミクロネシア、メラネシア、ポリネシア)の島々からの移民が多いことも特徴です。


地元の学校に通った息子の友達には、トンガ王国、マーシャル諸島、ソロモン諸島、ミクロネシア連邦、バヌアツ共和国、キリバス共和国など島国からの子どもたちもたくさんいました。とくにアメリカと自由連合(アメリカが国家として独立を承認して経済援助する代わりに、軍事権と外交権を統括する協定)を結ぶミクロネシア連邦やマーシャル諸島共和国の人たちは米国内で自由に就労、就学ができるため、地理的に近く、気候も似ていて、同じ島であるハワイは人気の移住先なのです。


決して裕福な感じではなかったですが、みんな、おおらかでのんびり、笑顔が印象的。カルチャーデーには、色鮮やかな民族衣装に身を包んだ生徒とその親たちが華やかな踊りと音楽を披露してくれました。息子はすぐに打ち解け、毎日、日が沈むまで一緒に遊んでいました。


そんな穏やかな時間が流れていた島々が、中国の経済・軍事両面の台頭によって、変わりつつあります。米国と中国の間に挟まれた太平洋が、伝統的なパワーポリティックスの舞台へと、時計の針を逆戻りさせているようなのです。


一体、何が起きているのでしょうか。


私たちは荒波を予感させる太平洋の島々を訪ね歩きました。トンガ、マーシャル諸島、テニアン、グアム・・・。


島々の目線から見た、米中攻防の最前線をお伝えします。


(特集「太平洋波高し」はこちらから)




梶原みずほ

1972年生まれ。大阪社会部や政治部を経てGLOBE記者。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート客員所員。2015〜16年、米国防総省アジア太平洋安全保障研究センター客員研究員。太平洋軍と海洋安全保障を研究した。


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