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未来をあきらめない

[Part3]民が官の先ゆく新展開も/日本の現在地




SDGsの達成期限は2030年。日本はジェンダー平等の実現(目標5)や再生可能エネルギーの拡大(目標7)、食品ロスの半減を含む「つくる責任 つかう責任」(目標12)などの達成が難しそうだと指摘されている。


なかでもジェンダーの平等は、世界経済フォーラムによる男女格差指数の最新のランキングで114位。前年よりも順位を下げている。女性の国会議員や企業の管理職が少なく、男女の所得格差の解消も進まないことなどから、世界のなかで後れをとっている。


日本政府は首相を本部長とする「SDGs推進本部」を16年5月に設置。12月には実施指針をまとめたが、各省庁の施策を並べ替えるのにとどまった。縦割りで動く霞が関は、SDGsで求められる課題横断的な対応がしきれない。それを補い、後押しする政治の動きもなく、政策の優先課題になっていない。


最初は様子見をしていた企業は、欧米の企業がビジネスの好機としてSDGsを事業に採り入れるのを横目に、動きが出てきた。経団連は近く発表する企業行動憲章の改定で、SDGsを盛り込む。ESG投資の流れとあいまって、民が官に先行し、脱・霞が関、脱・中央で物事が進むというこれまでにない展開を見せる可能性がある。


変革を促す存在として注目されるのは、1980年代以降に生まれた、米国では「ミレニアル世代」と呼ばれる若者たちだ。将来への不安から、持続可能な社会に対する期待が強い。消費者として環境保護や人権に配慮したモノやサービスにこだわれば、大きな推進力になる。


将来を担う世代への働きかけも始まっている。SDGsは地球規模の課題を日常生活と結びつけて考えるのに格好のテーマ。小中学校の新しい学習指導要領に「持続可能な社会の創り手」の養成が盛り込まれた。


これまで接点のなかった人たちを引き合わせる「接着剤」の効果もSDGsにはある。途上国支援をするNGOと国内で貧困対策をするNPOが結びつく。企業が市民社会との協働を考える。見たことのない動きも始まっている。


(北郷美由紀)

(文中敬称略)

(「選ばれる企業、排除される企業」に続く)




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