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石炭との別れ方

[Part2]手強いのは競争力のある褐炭



手強いのは競争力のある褐炭


通常の石炭ですら、別れるまでに20年かけてきた。さらに厄介なのが、発電用に使われている褐炭だ。

 

通常の石炭に比べてCO2の排出量が多いが、安いので競争力がある。ドイツは、褐炭の生産と消費の量が飛び抜けて多く、世界一だ。約2万5000人という労働者の雇用問題も大きなネックになっている。


褐炭の主要産地の一つでもあるNRW州の経済エネルギー局長ミヒャエル・ゲスナーは「褐炭の利用が減るのは確実だが、エネルギー供給や発電コスト、雇用の安定とのバランスを見ながら進める」と言う。同州では20基ある褐炭火力発電を3年以内に5基停止させることを決めている。だが、「褐炭には市場競争力があり、石炭とは次元が違う」とゲスナーは説明する。

 

一方、社会民主党の連邦議会議員、クラウス・ミンドルップ(53)は、国のCO2削減目標達成のためには「褐炭の使用をやめていくことが不可欠だ」と言い、国民の合意を形成するために議論を始めることを訴える。「原発の廃止を決めた時と同じようなプロセスが必要だ」

 

11年3月の福島原発事故後、ドイツ政府は宗教界、産業界、学界、超党派議員など専門家以外も含む各界各層からなる倫理委員会を設置した。委員会からの勧告を受ける形で、政府は原発の閉鎖を決めた。褐炭からの離脱についても、委員会方式を活用した、コンセンサスの形成が重要だというのだ。

 

関係者によると、脱石炭に関する委員会は、9月下旬の総選挙後に設置が予定されているという。


(文中敬称略)


(「時代に逆行、依存強める」に続く)



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