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石炭との別れ方

[Part2]悪者扱いに割り切れない思い

悪者扱いに割り切れない思い


今回の取材では、国内外の現役や元炭鉱労働者に会った。共通していたのは、これまで社会の発展を支えてきたのに、悪者扱いされるようになったことへの割り切れない思いだった。温暖化への疑問を投げかける人もいた。私は、パリ協定の採択から数日後にインターネットで目にしたニュースを思い出した。

 

「我々はかつての奴隷貿易商人のように憎まれ、さげすまれるようになるだろう。化石燃料は国連の第1の敵になった」。欧州の石炭関連企業で構成する「欧州石炭協会(ユーラコール)」の事務総長が、会員企業にこんな内容のメールを送ったという。

 

「言い得て妙だな」と思った。急にダメだと言われた石炭業界にとっては、確かに迷惑かもしれない。でも、パラダイムシフト(価値観の転換)や革命とは、そういうものではないのか。

 

ブリュッセルにあるユーラコールの本部で会った事務総長のブライアン・リケッツ(54)は「かつて奴隷商人は人々に尊敬されていました。パリ協定後、欧州では石炭に対する見方が、同じように変わりました」と語った。

 

「ガス業界は、石炭と対決することを決めています。石炭が不利になる政策を取るよう政府に働きかけ、市場で石炭のシェアを奪おうとしているのです」。リケッツは、化石燃料の中で石炭が狙い撃ちされることへの不満も口にした。


(文中敬称略)


(「20年かけて備えた炭鉱閉鎖」に続く)




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