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なぜ幼児教育か

[Part3]質を測り、経験を「シェア」




詰め込みではなく、主体性が大事という。けれど、しつけもある。「良い幼児教育」ってなんだろう?


その「質」を測る指標に、米国であみ出された「保育環境評価スケール(尺度)」がある。これを日本語に訳し、広める活動に取り組むのが同志社女子大学教授の埋橋(うずはし)玲子だ。


視察が相次ぐ埼玉県松伏町の「こどものもり」を一緒に訪れた。幼稚園と保育園が一つになった認定こども園だ。


ここでは異なる年齢の子どもが同じ空間で一緒に過ごす。水色の服の年長の子たちが、ピンクの服の年少の子たちとあちこちで手をつないでいる。


「年長さんが年少さんの世話をします。年長さんはあこがれの存在。いつかあのようになりたいと思うんです」。こう語るのは、園長の若盛正城。先生の声は大きくない。なるべく見守り、小さい子の手伝いを自らしてあげたいと思うよう仕向けていく。


昼食は子どもが自ら食べる量を決めるビュッフェ。異なる年齢の6人が一つのテーブルを囲む。組み合わせは、先生たちが毎日話し合って変える。子ども同士でおしゃべりしながら食べているが、全然やかましくない。


押し付ければ反発する。自ら決めたら責任を持つ。住職でもある若盛が重んじるのは「生きる力を引き出す」ことだ。


埋橋は「急にこのレベルに達するのは難しいけれど、だんだん良くしていくことが大切。そのためにも保育の質を測る客観的な物差しが必要です」と語る。



点数評価は目的ではない


評価スケールをつくったのは、米国ノースカロライナ大学名誉教授のテルマ・ハームスらだ。埋橋はこの大学で学び、2004年に翻訳。口コミで広がり、数百の園に招かれて実習を重ねてきた。


保育士数人を他の園に連れて行き、午前は黙って観察・採点する。評価スケール(3歳以上)は「室内空間」「安全」「語彙の拡大」「絵本に親しむ環境」「音楽リズム」「数字の経験」など35項目。

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