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京都へおこしやす

[Part4]取材記者から

日本が中国のリゾートに!?

3年前、日本の要人が北京を訪問し、中国で経済を担当する汪洋副首相と会談したときのこと。訪日観光誘致を呼びかける日本側に、汪氏はこう尋ねたという。「中国の人口の1割が行っても、日本は大丈夫なのですか?」


北京の特派員時代に聞いた話だ。率直な人柄でも知られる汪氏は、日本の「キャパ」を心配してくれたのだと思う。


それから2年。昨夏に帰国して驚いたのが、中国人観光客の多さに加え、彼らが日本の隅々まで足を運んでいることだった。日本人の私も訪れたことのない、聞いたことのない地に、彼らはいる、いる。なぜそこを旅先に選んだのか。この疑問が、特集の出発点だった。


SNSの記事に登場する「行楽」の編集主幹、袁静さんは「中国人旅行者は目が肥え、特別な体験を求めている。観光資源を見せればいい時代は終わった」と言う。


深化、多様化する訪日客だが、政治に翻弄されるのが日中関係の常。日本の閣僚が靖国神社に参拝すれば、民間レベルの交流行事すらストップしてしまう。特派員時代、何度現場のいら立ちを耳にしたことか。


日中関係の悪化について中国人研究者を取材した際、帰りがけに「良好な関係であるには日本がどうあればいいのですか」と聞いたことがある。その人は冗談交じりに「風光明媚な日本は、中国のリゾート地になればいい」。聞いたときはあぜんとしたが、冗談ではなくなりつつあるように思える。



(文中敬称略)


「京都人はつらいよ」に続く)

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